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 民主党政権時代には衆参合わせて400人以上の国会議員がいた民進党。分裂や落選が相次ぎ、今や議員数は65人にまで減少した。現状では、ほとんどの議員が参議院議員で、衆議院議員は無所属で総選挙に立候補した岡田氏や野田氏など約10人程度が党籍を持っている状況だ。

 党の分裂を招いた責任を取り代表を辞任した前原氏に代わって無投票で選出されたのが、大塚耕平・参議院議員だ。"元祖中間派""敵がいない"とも言われる大塚氏は先月31日の両院議員総会で「次期総選挙において、立憲民主党、希望の党、そして私たち民進党を中心に政権交代を実現しなければならない」と述べ、分裂した勢力の再結集に期待を込めた。これに呼応したのか、希望の党の共同代表選に意欲を見せる大串博志衆議院議員も「目的を同じとする野党と連携していくこと、統一会派を組むことも考えていく」と述べている。

 "野党再々編"のキーマンとなった大塚氏は4日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演、「必ずしも合流が必要ではない」「再合流は簡単にはできない」との認識を示した上で、「国民が主権を行使できる機会が総選挙。その時に政権を選べるようにしないと、その権利を定めた憲法が空虚なものになってしまう。ヨーロッパでは中規模政党の連立政権が当たり前のようにある。我々が塊を作って、自民党に対抗とする選択肢として、国民の皆様に選んでもらうようなやり方にすることはあり得る、それをまずは目指す」とコメントした。

 「去年の参議院議員選挙では、民進党の比例票は1100万票だった。自民党は2000万票を超えていた。今回、立憲民主党、希望の党の比例の票を合わせると2100万票なのに対し、自民党は1800万票。だから、国民の皆さんが分かりにくくない程度の構造にして、政権についたら何をするのかということを申し合わせるべき」と話す大塚氏。

 「"保守対リベラル"という間違った概念の使い方を政治家自身も是正していく必要がある。マスコミのみなさんも誤解している。保守とリベラルというのは、そもそも対立概念では全くないにもかかわらず、そういう区分けがされている。アメリカでもそんな区分けをしない。そこで小池さんが改革保守といったのはなるほどと思った。つまり、自民党は長くやっている分、環境の変化に適応するスピードが遅い。伝統を守るためには、何かを変えないといけないという考え方もある」(大塚氏)。

 大串氏と同じく、希望の党の共同代表選に出馬する意欲を見せる泉健太氏も「もう"安倍政権打倒"という言葉はあまり響かなくなっている。その先に何があるのかをちゃんと見せなければ、無責任だと思われる。民進党の反省点は、共産党と共闘しているのに、政権を組む気があるのかどうかなどを明確にすべきだったし、どんな容で政権を担うのかを示しきれなかった。打倒だけのための連携はやってはいけない。自分たちはどういう枠組みで、どういう顔ぶれの内閣でいくのか、選挙の半年、1年前から示すべきだ」と訴えた。

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 コラムニストの吉木誉絵氏が、野党に現実的な安全保障政策の議論を求めたのに対し、泉氏は「それは私たちも同感だ。もし私が党代表になれば、防衛省・自衛隊の幹部の方々とも意見交換できる環境を作り、野党こそ外交・防衛で与党に負けない人脈をつくり、対話をできるようにしておかなければならない」と訴えた。

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 さらに希望の党の立ち上げメンバー・若狭勝氏が「政治家には、選挙になると自分の考えも政策も棚上げしてしまう傾向がある。それが選挙終わると、自分の考えが出てきて、党がバラバラになる。そういうことでは国民に対して誠実ではなく、失礼だ。政権交代できそうだから一緒に選挙をやるということではなく、選挙の前々から詰めてやらなければいけない」と指摘、「民進党はイデオロギー的に右の人と左の人が一緒になっていることが国民にわかりにくく、支持率の低下にもつながっていた。同じ人が集まっても結局は元通りみたいな感じになってしまうのではという不信感を持つ人は少なからずいるだろう」とコメントすると、大塚氏は「難しいが、決まったこと、組織として機関決定したことには多少自分の意見と違っても、公の席では異論を唱えないという文化が必要。それから、公党間で合意をするという作法をこれからしっかりと確立していくことが必要だ」とした。

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 一方、希望の党からの「排除」を受けて結党され、注目を集めた立憲民主党の枝野代表は「数合わせはしない」として、連携には慎重な姿勢を見せている。また、党の福山幹事長が参議院の民進党会派から退会させられたことについて「我が党の幹事長が会派におりましたのを会派から出ていってくれとおっしゃったので、なかなか連携は難しいんじゃないかと思っている」とも述べている。

 これについては、政治評論家の有馬晴海氏も「旧民進党の扇の要は参議院民進党だと思う。そこでなぜ福山さんを外してしまったのか」と話す。

 大塚氏は「外したということではない。福山さんは親しい友人でもあるし、大変有能な方。しかし選挙期間中に離党届を出されて、立憲民主党の幹事長になった。普通、他党の幹事長になられた方をそのまま(会派に)残すことは難しい」と説明。さらに「付け焼き刃ではない連立を目指す歩みをスタートさせる時に、どこか特定の政党と最初から手を握っているということは、その時点で可能性を狭めることにもなってしまう。まずはそれぞれが独立独歩できっちりやるべきだということで、決して追い出したということではない。党というのは国民の皆さんのため、日本のために仕事をするために存在する。我々は党のために政治をやっているのではない。大同団結するために無原則に譲り合っては意味がない」と反論した。

 また、民進党の資金の問題について大塚氏は「今、精査しているところだ。世間的には100億円とも言われているが、そんなにはない。70億円くらいはお預かりしているかもしれない」と述べ「政党交付金は党の運営と選挙のためには使わせて頂くが、他の党のためには使わない。これをどうハンドリングするのかも重要な問題だと思っている」とし、一部で指摘されている他党に資金を配分する可能性については明確に否定していた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


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