昨年9月のRIZINで敗戦後、現役を退くと見られていた藤田和之だが、ここにきて活発な動きを見せている。プロレスでは大仁田厚引退試合の相手を務め、MMAでの試合も決定。その舞台は、ROAD FCの中国大会(11月11日)。
ROAD FCは韓国のプロモーションで、日本大会、中国大会も開催し、アジアにマーケットを拡大してきた。そんなROAD FCに日本のレジェンドファイターである藤田が参戦する意味は大きい。
47歳の藤田は、現役生活の中で「やり残したこと」がないようにと考えているようだ。そこで興味を持ったのが、アジアという新しいマーケット。しかもその相手は注目株のアオルコロに決まった。
中国武術をベースに持つアオルコロは身長188cm、体重約160kgという超巨漢ファイター。これまで日本人ファイターにも勝利しており、ファンには“カンフーパンダ”の愛称で親しまれている。アオルコロにとっては、今回の試合は“レジェンド狩り”で名を上げる大チャンスだ。
一方、藤田はこうした新鋭を、自分が闘うことで「発掘」していきたいという。現役生活の最後はしっかり燃え尽きたい。守りに入るのではなく、自ら若い選手、新しい大会に飛び込んで勝負していきたいとの思いがあるのだ。その結果として踏み台になってもいい、とも。そうすることで、MMAの世界を「次につなげる」というのが藤田の狙いだ。
とはいえ、それはあくまで結果としてそうなっても構わない、ということ。試合をする以上は勝ちにいくし、それは12月のHEAT参戦も同じだ。HEATは名古屋のイベント。いわゆる大舞台ではないが、そういう場所にも自分の存在を刻み込もうとしているのだろう。
アオルコロとの一戦は、危険とも言える体格差に加え年齢差は25。逆境を乗り越えるか、踏み台になるか。ここから先、藤田の闘いはすべてがキャリアの総決算になっていくだろう。
この大会では、他にも賞金100万ドルをかけたライト級トーナメントの準々決勝に下石康太、女子マッチに藤野恵実が登場するなど日本人選手も多数。まさにアジア有数のスケールで開催されることとなる。