11月16日(木)、東京・丸の内ピカデリーにて映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(12月16日全国ロードショー)の完成披露試写会が行われた。登壇したのは、同作のW主演を務めた佐藤健、土屋太鳳、そして薬師丸ひろ子、杉本哲太、北村一輝、浜野謙太、中村ゆり、瀬々敬久監督の8名。佐藤は“奇跡”の意味を持つ青いバラを客席の観客に渡しながら登場。会場は黄色い歓声に包まれた。
目を覚まさない恋人・麻衣(土屋)を献身的に支え続け、苦悩しながらも彼女を思い続ける尚志役を演じた佐藤は「みなさんに胸を張ってお届けできる作品ができたと思います」と同作に自信をのぞかせる。土屋は「麻衣さんの大切な8年間を演じさせていただきました」と、モデルとなった尚志さん・麻衣さんご夫婦に感謝し、イベントはスタートした。
佐藤健は笑顔が苦手? 土屋太鳳は「素敵だと思います」とフォロー
原作を読み、モデルとなった尚志さん・麻衣さんご夫婦と実際に対面したという佐藤と土屋。佐藤は「実際にいらっしゃる方を演じるということで……尚志さんは、本当に魅力的な方で。僕にない魅力を持っている方でした。その魅力というのが、ずっとニコニコされていて、笑顔が素敵な方というもので……」と尚志さんの印象を語る。しかし、佐藤自身は「笑顔」にコンプレックスがあるといい「僕はあまり笑わないというか、笑うのが苦手で。芝居で笑うのにも苦手意識があるんです」「この後、フォトセッションがあると思うんですけど、先に謝っておきます。カメラに向けて『笑って』って言われるのが苦手なんですよ」と告白した。これに、映画『るろうに剣心』シリーズでも共演し、佐藤を「健先輩」と慕う土屋は「ご本人はそう思われているんだろうなと思うんですけど、健先輩は私からするとよく笑われる方で。健先輩が、笑顔の素敵な尚志さんを演じられたら素敵だと思います」とフォロー。会場の笑いを誘った。
8年前の写真を公開!佐藤健と土屋太鳳は『龍馬伝』で共演していた!?
「8年越し」にちなみ、イベント内では、佐藤・土屋の8年間の写真も公開。8年前、佐藤は20歳。当時の写真が公開されると、海辺をバックにした爽やかな一枚に「かわいい~」と歓声が上がる。カレンダー撮影の際の写真だったというが、当時を振り返り「気合いという武器だけで戦っていた。芝居もテクニックとか皆無ですから。25歳くらいの頃から気合いだけじゃ足りないなと、いろいろ取り入れて戦っている(笑)」と語った。
一方、土屋が公開したのは14歳の頃の写真。大河ドラマ『龍馬伝』の頃のものだそうで、実は土屋は坂本乙女(寺島しのぶ)の幼少期を演じていたのだ。佐藤も岡田以蔵役で出演しており、同じシーンの撮影はなかったというが今回は「8年越しの共演」であるということも判明。土屋は当時、佐藤と衣装部屋で偶然顔を合わせたことがあったといい「お会いした時に『先にどうぞ』と言ってくださって。その時からとても紳士で優しいお方だな、と思いました」と佐藤のジェントルマンっぷりを絶賛した。
佐藤健、土屋太鳳のイメージは「幸せな思い出」「忍耐」「箱入り娘」
イベントの後半では佐藤から土屋へ花冠のプレゼントも。奇跡の青いバラとダイヤモンドリリーで紡がれた花冠を贈られた土屋は「ありがとうございます。恥ずかしいです。幸せ者です」と満面の笑み。ダイヤモンドリリーを選んだのには理由があるようで、佐藤は「ダイヤモンドリリーの花言葉は『幸せな思い出』『忍耐』『箱入り娘』。これは土屋さんにぴったりだなと思って」と説明。土屋は「さすが健先輩」と照れ笑いを浮かべていた。
撮影現場で、佐藤と土屋の関係はどのようなものだったのか。土屋は「病気の方の役を演じるので体重のコントロールも大変で、健先輩が励ましてくれるんですけれど、試合に臨むボクサーとコーチのような関係でした」と振り返る。佐藤は「麻衣役をできる方はそういないですし、自分がやれって言われても到底できないような芝居を要求されていて。この話を映画化するよって聞いた時も土屋さんしか思い浮かばなかった」と土屋の演技を絶賛。「(土屋は)『支えてくれた』っていうんですけど、僕は確かに土屋さんをサポートしたいって思ってましたけど、その考える時間が全て役作りだったなと思います」と感謝し、土屋も「ありがとうございます」と深々と頭を下げた。
ストーリー
結婚を約束した一組のカップル、尚志と麻衣。幸せ絶頂の2人だったが、結婚式の3ヶ月前、突然の病気が麻衣を襲う。一時は心肺停止、その後も⻑い昏睡状態に。いつ目が覚めるかわからない状態に、麻衣の両親からは「もう他にいい人を見つけたら」と言われるが、尚志は諦めず麻衣の側で回復を祈り続ける。その祈りが届いたのか、その後、麻衣は徐々に意識を取り戻すが、そこへ更なる試練が降りかかる。麻衣は、記憶障害により尚志の記憶を失っていたのだった。大きなショックを受けながらも、来る日も来る日も麻衣のもとへ通い続ける尚志。そして、8年の年月が経った頃、ついに2人に奇跡が訪れる――。
写真:オカダマコト
テキスト:堤茜子