作家・阿佐田哲也先生による「麻雀放浪記」の連載が始まった1969年以降、麻雀といえば、男性娯楽の象徴だった。しかし近年、麻雀ゲームの普及、麻雀漫画「咲-saki-」テレビアニメ化と実写映画化、さらに麻雀対局映像の増加により、女性からの注目度も増して来ている。
8月に麻雀最強戦チャンネルで放映された「高校女子オープン・夏」(近代麻雀主催)では、女子高生たちによる熱く真摯な闘牌が感動を呼び、12月24日クリスマスイブには「高校女子オープン・冬」の開催が決定した。老若男女、職業、年齢問わず生涯楽しめることが要因のひとつと言える。
実際、麻雀NPO法人 健康麻将全国会新聞が行った参加者アンケート調査(2017年3月実施、715人が回答)によると、麻雀教室の81.1%が女性参加者。「教室参加者は男性ばかりなんだろうなと思っていたら、女性が多くて安心した」とは40代女性。
11月に渋谷区にある雀荘、麻雀オクタゴンで開催された多井隆晴プロ(RMU)による「たかはる塾」も定員36名のところ、募集した翌日に満員状態。参加者の平均年齢層は30代。オーナーである声優・小山剛志さんは「以前、たかはる(多井プロ)が超初心者に麻雀を教えたいと言っていたんで教室開講を依頼しました。ネットでしかやったことのない人、牌に触ったことのない人、麻雀番組を見ているだけの人が麻雀に触れる第一段階として利用して頂けたらうれしいですね」と語った。
「たかはる塾」がきっかけで、生まれて初めて牌に触れる参加者にも話を聞いた。「いつもテレビで見ている通りの元気な多井さんでした(笑)。ゲームでしかやったことのない、リアル麻雀未経験者なんで、自分の手作りしか考えたことがなかった。いつかは場を読むなんてこともやってみたいんですけど。麻雀友達なんていないので、どこでリアル麻雀を打ったらいいんだろうと思っていたところだったんです」(30代女性・東京都)。
参加しやすい教室は増えている。始めてみたい、上達したい、プロの話を聞いてみたいなど、ニーズに合わせ、教室を選んでみると、麻雀との距離感がぐっと近づくかもしれない。【福山純生(雀聖アワー)】