(DDTに初のディファカップ優勝をもたらした竹下(右)と上野)
ディファ有明を舞台にした多団体参加のスペシャルイベント『ディファカップ』は、過去2003年、2005年、2007年に開催されてきた。そして11月28日には10年ぶりに、第4回にして最後の大会が行なわれている。
大会名は『ディファカップ・メモリアル2017』。ディファ有明が来年、営業終了となることから開催が決まったもので、レスラーや関係者にとっては数多くの大会が開催されてきた同会場に感謝し、別れを告げるものでもあった。
毎回、タッグトーナメントが行なわれてきたディファカップ。今回は竹下幸之介&上野勇希(DDT)、葛西純&平田智也(FREEDOMS)、中嶋勝彦&熊野準(ノア)、高岩竜一&ショーン・ギネス(ZERO1)の4チームがエントリー。DDTの竹下&上野が優勝を果たした。 DDTのシングル王者と若手選手というタッグだが、竹下と上野は高校の同級生。上野は高校生でプロレスデビューした「竹ちゃん」の応援に行ったことがきっかけでプロレスラーを志したという。
そんな“友情パワー”もあってか、一回戦ではFREEDOMS組、決勝ではノア組を下して優勝。幼少時代からのプロレスマニアでもある竹下は「ディファカップは第1回から見てます」というだけに感慨深げ。“デスマッチのカリスマ”葛西と初対戦し、中嶋とは4年前の若手時代以来の激突で成長ぶりを見せつけた。上野も“外”のリングで勲章を手にしたことが飛躍のきっかけになるはず。
「ディファカップに自分が出て優勝できたなんて信じられない。でも僕はDDTのチャンピオンなので。負けられないっていうだけじゃなくナメられちゃいけないっていう気持ちでした」
試合後にはそう語った竹下。団体を背負って他団体の選手と対戦するという経験も含め、この若い王者にとって意味のある、メモリアルな大会だったと言えるだろう。
文・橋本宗洋