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 「外面がいい糞旦那。家族のためと思うなら自損事故で死ねよ。そうしたら家族全員が幸せに暮らせます」

 「いつ死ぬの?今でしょ?」

 「ゴキブリを食べさせたり食事にクモの粉末をまぜたりしていますがもう限界です」

 11月22日は良い夫婦の日。この縁起の良い日に婚姻届を提出する人も多く、11月は結婚する人が一番多い月でもある。しかし、そのような新婚さんたちの夢を打ち砕くようなサイトが今、物議を醸している。それが『だんなデス・ノート』だ。夫に不満を持ち、その死を心待ちにする妻たちの声を集めた書き込みの数々。漫画家の峰なゆかは「"旦那が死にました"みたいな投稿に、"おめでとうございます"と言ったコメントが付いていた」と話す。先月には書籍化され、Amazonの「家庭生活」カテゴリのランキングで1位にもなった。

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 中には夫婦生活について怒りを爆発させている投稿もある。「これからもセックス拒んでやるし あんたの子供作る気ないから」「まだ死なないの?童貞かよー 下手なセックス強要しないで! 吐き気するわ!」。

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 街の女性たちは「毒を吐くとかっていうか、そういうのができるのかなって気はしますけど」「ありかなとは思います。そこで発散できるのであれば」と話す一方、夫たちからは

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 「うわっ!これ怖っ!これ。夫の死を願う妻たちの叫び。死んだ後も社会的に死んでほしい。これは恐ろしいよね」

 「いや奥さんね。怖いよね。やっぱり。基本。したたかやから。ね。もう計算高いし」

 「見たことある。すげーことしてるんでしょう?とんでもない奥さん。ゴキブリ入れたり、ほんとかよって!旦那に対してそりゃないでしょう!」

 と驚きの声が上がる。

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 2015年に作られた「だんなデス・ノート」。会員は約1万3千人、閲覧数は多い時で1日75万件にも上る。管理人の死神氏自身は独身だ。開設した理由について死神氏は「僕の小さい頃もそうだったが、母親が父親の悪口を言っていたり、僕の目の前で。お母さんたち、すごく不満がある。家庭の中でも、旦那さんにも。その不満を家庭内でおさめておくんじゃなくて、どこか外に吐き出させてあげれば、せめて表向きだけでも、家庭の中、子どもの目の前だけでも笑顔でいてくれるんじゃないか?という思いで作りました」と話す。

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 死を願うほどに憎しみを募らせているにも関わらず、なぜ離婚に踏み切らないのか。夫婦問題カウンセラーの高草木陽光氏は「男性並みに稼いでいるなら別だが、離婚してもパートでは生活していけない。子どもと一緒に倒れてしまったら大変」と心情を代弁する。

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 男性学が専門の田中俊之・大正大学准教授は「"恋愛結婚"という言葉がまずいと思う。あたかも一つのもののようになっていて、恋愛から結婚に非常にスムーズにいけるという幻想を与えてしまっているが、実際には恋人から夫婦になる。一緒に暮らしていかなくてはいけないし、先も長いのなので、恋愛とは違うものだと意識を切り替えてないと駄目。だから恋人として良い人と、結婚相手として良い人は違う。でもみんな"恋愛結婚"だからと、夫婦としての準備ができていない。それがこの齟齬を生んでいる。また、子育てが加わってくると全然違う。二者関係に加え、親という立場も出てくる。そうすると、そこでまたいざこざが起こる。『あの頃と違う』と言うのであれば、その発想はやめた方がいい」と指摘する。

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 さらに田中准教授は「離婚したあとに再婚もできる。結婚と聞くと初婚のイメージがあるが、再婚している人も4組に1組になってきている。実は去年の結婚に占める片方再婚・もしくは両方再婚の割合が過去最高の26%だった。ただ、その時に男性と女性、どちらが再婚できる可能性が高いか、ということだ。これはバツイチというイメージということもある。女性のバツイチというのは未だに少しイメージが悪い。しかし、男性のバツイチというと、夫が再婚で妻が初婚の場合の歳の差は平均7歳くらい離れている。ストレートに経済力の問題。やはり妻が一人になった生活を考えると厳しい。また、日本では離婚というものに対する否定的な考えが根強く、どうしても結婚を維持しなければいけないという縛りがある。そこで夫に『死ね』や『私が消えたい』というのが出てくる」と話した。

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 イラストエッセイストの犬山紙子氏は「恋愛をして、結婚するというのは私は良いと思う。ただ、話し合いが必要。結婚というのは現実なので、子どもは欲しいのかどうか、子育て、家事、どうやって分配するのか、お金はお互いどれくらい貯金している?とか、しっかり話し合わないと」とした上で、「どういった積み重ねがあってそこに至ったのか、ということが大事だと思っている。きっと追いつめられる何かがあったんじゃないかなと。実際、結婚している方からは『旦那が嫌い』という話を本当に良く聞く。女性が酷いからそうなったのかというわけではなく、お互いの問題の積み重ねがあるのでは」と指摘。具体例として「妻の夫に対する愛情曲線というグラフを見ると、産後半年間、夫がどれだけ子育てに参加したかでガクンと(曲線が)変わる。ちゃんと参加した家庭はそこまで下がらない。そこの差は結構大きい」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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