日本プロレス界の年間最大イベントである、新日本プロレスの“イッテンヨン”東京ドーム大会。来年1月4日に開催される『レッスルキングダム 12 in 東京ドーム』は、メインイベントにオカダ・カズチカ VS 内藤哲也のIWGPヘビー級選手権試合や、ケニー・オメガ VS クリス・ジェリコのIWGP USヘビー級選手権試合、Cody VS 飯伏幸太のROH世界選手権試合など注目のカードがズラリと並んだ。
年々パワーアップし続けている“イッテンヨン”を更に楽しむために、『新日本プロレス イッテンヨンまであと1ヶ月!過去のイッテンヨンベストバウト!#1』(AbemaTV)が放送されるが、今回は1995年に開催された『'95 闘強導夢 BATTLE7』の激闘をピックアップして紹介しよう。
■猪木はゴルドー、スティングと連戦
62,500人の大観衆で埋まった、この年の東京ドーム大会で行われたアントニオ猪木のファイナル・カウントダウン第3弾は、4選手による格闘技トーナメントとなり、1回戦の相手は“喧嘩屋”ジェラルド・ゴルドーになった。猪木はゴルドーのキックで足を負傷して苦しい闘いとなったが、チョーク・スリーパーで辛勝。
1回戦でモンスターマンの弟子で格闘家のトニー・パルモアに勝利したスティングと決勝戦で対戦となった猪木だが、ゴルドー戦で負った左足のダメージから、入場時にドームの花道で崩れ落ちてしまう。猪木は満身創痍となりながらも気力でスティングと闘い、最後はチョーク・スリーパーで勝利。試合後のインタビューでは「もう潮時かも」という弱気な言葉を漏らした。
■馳浩&武藤敬司はスタイナー・ブラザーズから初勝利
セミファイナルは、王者組の馳浩&武藤敬司にスコット・スタイナー&リック・スタイナーのスタイナー・ブラザーズが挑戦したIWGPタッグ選手権試合。前年の『'94 BATTLE FIELD in 闘強導夢』でも同一カードが組まれており、この時は馳がスタイナー・ブラザーズの高角度合体ブルドッキング・ヘッドロックでフォール負けを喫している。
1993年と1994年のSG タッグ・リーグ戦を2連覇した、馳・武藤組とタッグのスペシャリストであるスタイナー・ブラザーズの闘いは、まさにタッグの頂上対決と呼ぶに相応しい闘いとなった。
10分過ぎまではグランドでの一進一退の攻防が続き、馳と武藤がスコットの足四の字固めで追い込むと、スタイナー・ブラザーズは馳をSTFで苦しめる。
その後、スタイナー・ブラザーズの雪崩式フロントスープレックスや雪崩式アバラッシュホールドなどの荒技に耐えた武藤が馳にタッチをすると、馳はリックに裏投げ一閃。ジャイアントスイングでぶん回した後、投げっぱなしジャーマンをくらってしまうが、武藤のドロップキックのアシストを受けた馳がノーザンライトスープレックスでリックからフォールを奪取。初防衛に成功するとともにスタイナー・ブラザーズから初勝利を挙げた。
■橋本真也と佐々木健介のメインイベントはゴツゴツとした激闘に
そして迎えたメインイベントは、王者の橋本真也に佐々木健介が挑戦したIWGPヘビー級選手権試合だ。試合前、マイクを握った橋本は「猪木さん!俺らの試合をここで見て欲しい!お願いします!」と絶叫すると、試合中盤に猪木はリングサイドに現れる。
橋本が健介に右手を差し出すと、健介はその手を叩いて握手を拒否し、両者は序盤から張り手合戦でヒートアップ。健介の張り手で後退した橋本だが、一瞬の隙を突いて延髄斬りを見舞うと、重爆キックで健介を追い込む。
健介もキックやラリアットで反撃し、スリーパーや腕ひしぎで橋本を苦しめるが、カウンターのラリアットを狙ったところをエルボーで迎撃され、橋本の腕攻めで苦しい展開が続く。
コーナーポスト最上段に登った橋本が、ミサイルキックを放つとドームが大きくどよめく。橋本がDDTから再びコーナーポストからの攻撃を狙うと、健介は雪崩式パワースラムを敢行。
健介は掟破りのDDTからストラングルホールドを狙うも、橋本はロープエスケープ。健介がパワーボムで橋本をマットに叩き付けると橋本の鼻から血が噴き出す。
その後、ストラングルホールドから逆一本背負いで追い込まれた橋本だが、水面蹴りやハイキックで形勢を逆転。フライニングニールキックからのフィッシャーマン・バスターで完璧にフォールを奪い、橋本が6度目の防衛に成功。試合後、足を引きずりながらリングにあがった猪木がIWGPのベルトを橋本の腰に巻くシーンが印象的であった。