アイドルグループ・仮面女子のメンバー、川村虹花が12月3日のD DEEP JEWELSでMMAの試合を行なった。
(初めての試合で見事な動きを見せた川村と仮面女子のメンバー)
この春から練習に取り組んできたという川村は、9月にはガンバレ☆プロレスのリングでレスラーデビュー。運動神経と度胸のよさを見せていたが、MMAでもその持ち味が活きた。
川村はボクシング出身のREICAと防具なし・パウンドなしのセミプロルールで対戦。開始直後にミドルキックを思い切り繰り出し「相手が嫌がってるのが分かりました」と手応えを掴むと、タックルでテイクダウン。腕十字や肩固めを狙う場面もあり、最後までペースを譲らずに判定勝利を収めた。
アイドルの格闘技挑戦ということで色眼鏡で見られがちな中での勝利に、川村は「私は本気です」とあらためてアピール。格闘技へのリスペクトを持ち、今後も挑戦していくという。
優勢に試合を進めていただけに「一本取れなくて悔しいです」、「すぐにでも練習したい」という言葉も。 DEEP JEWELSの佐伯繁代表によれば、来年3月の大会でも試合を行なう方向で話を進めているという。
メンバーとの入場、数多くのファンも応援に駆けつけるなど、アイドルならではのバックアップもあっての勝利。しかし思い切りのよさやセコンドの指示をしっかり聞いて動ける落ち着き、パンチを食らっても下がらずにタックルで形勢逆転した気持ちの強さなど、ファイターとしてのポテンシャルも充分に感じさせた。まだプロとしては試合をしていない段階だが、少なくとも「期待の新人」の1人と言っても間違いではないだろう。川村の夢は、仮面女子としてライブを行なったことがあるさいたまスーパーアリーナで試合をすることだという。道のりは長いが、その第一歩を確実に記した。
(渡辺はデビュー戦直後にRIZIN出場が内定。今後さらに話題になりそうだ)
また、この日は元・柔道全日本指定強化選手だった大物ルーキー・渡辺華奈もデビュー。組み技だけでなくパンチの強さも見せた上で、ひかりに一本勝ち(腕十字)している。
試合後、渡辺は視察に訪れていたRIZINの榊原信行実行委員長に年末大会参戦をアピール。榊原氏も「相手を調整します」と答え、一気に大舞台に乗り込む可能性が出てきた。
(メインで勝利したSARAMIは北岡悟の指導で力を伸ばしてきた)
アイドルや日本トップクラスだったアスリートの参戦に加え、この日のメインではアトム級次期挑戦者決定戦で、SARAMIが前澤智と緊張感のある競り合いを展開(SARAMIの判定勝ち)。着実に実力を蓄えてきた選手たちが開花の時期を迎えつつあることも含め、日本の女子MMAは今、かつてないほど大きな流れになろうとしている。
文・橋本宗洋
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