第30期竜王戦七番勝負の第5局が12月4、5日の2日間、鹿児島県指宿市の指宿白水館で行われ、挑戦者の羽生善治棋聖(47)が渡辺明竜王(33)に勝利、対戦成績を4勝1敗とし、竜王のタイトルを獲得した。羽生棋聖が竜王位に就くのは、2002年以来15年ぶり。羽生棋聖は竜王通算7期で「永世竜王」の資格を獲得し、永世資格のない叡王を除く7つのタイトルすべてで永世資格を持つ、史上初の「永世七冠」を達成した。
永世(名誉)称号は、タイトルごとに「通算5期」「連続5期」など規定があり、羽生棋聖は2008年に6つ目の永世称号となる「永世名人」の資格を獲得。唯一残っていた竜王には2008年、2010年に渡辺竜王に挑戦していたが、いずれも敗れていた。羽生棋聖が竜王戦七番勝負で渡辺竜王に勝利したのは、今回が初。
羽生棋聖は1985年12月に四段となり、史上3人目の中学生棋士としてプロデビュー。実質的なデビュー年度である1986年度に勝率1位(0.741 40勝14敗)の成績を残すと、1989年度に初タイトルとなる竜王を獲得。その後も圧倒的な勝率をキープすると、1996年に当時あった7つのタイトルをすべて保持する、史上初の「七冠独占」を達成した。
今回の竜王獲得で通算タイトル数は99期に。保持する竜王、棋聖の防衛、または他のタイトルを獲得すれば、またも史上初の大偉業「タイトル100期」を達成する。
◆羽生善治(はぶ・よしはる)1970年9月27日、埼玉県所沢市出身。1982年に奨励会入りし、1985年に四段に昇段。加藤一二三、谷川浩司に次ぐ史上3人目の中学生プロ棋士に。1986年に初タイトルを獲得し、1996年に史上初の「七冠」達成。師匠は二上達也九段。
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