コアなファンを抱えるブログのジャンルのひとつに「プロレス」が存在する。アメブロでは男子プロレスラー98人・女子プロレスラー61人、昭和世代・平成世代が入り混じり、盛り上がっている。「プロレスラーの引退とバンドの解散は信用するな」(最近では宮崎駿監督もこの文脈で語られる)といった言葉も存在するため、「現役」「引退」で分けるのは難しいが、昭和のプロレスを知っているレスラーはどことなく「かわいい」という特徴がある。
真壁刀義オフィシャルブログ「スイーツ真壁刀義の甘ったれんじゃねぇ!」より
昭和のプロレスラーの紹介をする前に、平成のプロレスラーについて一言で言えば「自由奔放」かつ「多種多様」だ。たとえば「スイーツ真壁」とも呼ばれるほどスイーツに詳しい真壁刀義は多数のスイーツの写真を公開し、その感想を述べる。山崎製パンの「ザクザクチョコメロンパン」と「牛乳仕込みのミルクチュロッキー」を食べるシーンを紹介したら『旨ぁーーーーーーーーぃッ しっかし「ヤマザキパン」は夢があるょなぁ~ッ』で、豆大福と「桔梗信玄餅パン」を食べる場合は「豆大福の豆が活きてんだよなッ!! きな粉と黒蜜とモチモチの旨さで旨すぎだぜ」などと書く。
DDTの今成夢人は11月3日に放送されたAbemaTVの『72時間ホンネテレビ』で草なぎ剛とプロレスの試合をしたことで知られるが、11月9日にブログを開設。プロレスの試合の振り返りなどはするものの、びっちりと文字を書いて分析を行うスタイルも見せている。たとえば…長崎ちゃんぽんは全761店舗を誇るチェーン「リンガーハット」の存在もあり、光が当たっているが、同様に大量の野菜を摂取することができるタンメンはそこまで光が当たっていない。という問題提起を行う。
「新橋に訪れると、私は決まってタンメン専門店である「タンメンしゃきしゃき」を訪れる。まさに新鮮でしゃきしゃきな野菜がちぢれた麺と絡み合い、極上の塩味のスープと絡み合うのだ。さらに刻んだ生姜をお好みでトッピングする。これが美味いんだ。タンメンはもっとモテて欲しい。専門店の拡大と、タンメンはイケてるということにもっと気づいてほしいものだ。」
このように、問題を提起したうえで、タンメンの魅力についても写真付きで解説する。他にも「ぽっちゃり」と「デブ」の違いについて分析をしたり、牛カツの定食についた汁物が味噌汁ではなくスープだったことに違和感を覚えるといったコラム的な書き方をするのである。
若い世代が自由に書く中、長州力と天龍源一郎という一時代を築いた大御所2名はどことなく「かわいい」「控え目」といった特徴がある。
◆天龍の娘の結婚式に見られる長州と天龍の関係
長州は一時期は妻への愛と感謝を恥ずかしそうに書き続け、天龍は様々なものに対する感謝の気持ちを述べる。2017年1月、長州は一旦は妻との籍を抜いたことに言及しつつ近々籍をもう一度入れると宣言したうえで、こう述べた。
「30年も結婚生活送っていると誰もがそうであるように色んなことがあります。別々になっていた時もありましたが、その間も子供たちがお互いを行き来してくれていたので空白の時間というのは自分の中ではないですね。娘たちにレアケース過ぎて全く参考にならないと言われますが、自分もそう思うようになってきました。今は楽しく過ごしてます」
天龍は「今日は馬場さんからピンフォール勝ちした日だと言われて思い返しました。札幌の寒い季節、忘れもしません。馬場さんは今改めて凄みを実感する方です。心は一生全日本プロレス、天龍源一郎」などと大相撲の力士だった自分をスカウトしてくれた故・ジャイアント馬場さんの思い出を書いた。そして、娘が結婚した時のことについてはこう人々に感謝する。
「一人娘が嫁ぎました。幼い頃が思い出されました。そして懐かしい友にも会えました。今迄もこれからも俺の『マイホープ』紋奈、幸せになってくれ。挙式及び披露宴にご列席賜りました方々 暖かい御祝いの言葉を頂きました方々 本当にありがとうございました 感謝申し上げます 笑って泣けて懐かしくてとてもいい1日でした」
しかし、オチには「俺は泣けなかったんだよ!チェ」とお茶目な面も見せる。この結婚式には長州も参列しており、「おめでとうございます! 心よりお祝い申し上げます 一日も早く元気なお孫さんか、授かりますよう、願っています 源ちゃん本当に!良かったですね!! まだまだ源ちゃんお互いに頑張りましょう!!本当に!!おめでとう!!」とその友情をつづった。
ブログやSNSがない時代、プロレスラーの肉声というものはスポーツ新聞等でしか知ることができず「怖い人」「乱暴な人」といったイメージになりがちだったが、今はそうした一面だけでなく様々な面をブログを通じて知ることができる。