12月9日に開催される「Krush.83」で1月に敗れたメロニー・ヘウヘスとのリベンジマッチに臨むKANA。今年1月に失ったタイトル奪還に向け万全の体勢で臨む彼女を追った。
第2代Krush女子王者として、Krushを代表する女子ファイターとして君臨して来たKANA。Krush・K-1がさらなる盛り上がりを見せ自身にとっても勝負の年になると思われた2017年はタイトル陥落しかもキャリア初の敗戦というショッキングな幕開けとなってしまった。
8月に開催された「Krush.79」でエミリー・マシューにKO勝ちして2連勝。「メロニー選手を倒すのは自分しかいないので。今年の借りは今年返します。」とリング上で公約したKANA。その公言通りリベンジマッチに向けて男子顔負けのメニューをこなし試合に備えていた。
例えば、内藤大助や比嘉大吾など世界王者を育てたトレーナー、野木丈司氏による、階段を使ったハードなランニングメニュー。練習に参加しているWBC世界王者、比嘉大吾も「階段ではじめて会って、全員男のメンバーの中で女の人がついてくることはなかったんです。強いなと思って。」とコメント日本を代表するUFCファイター、岡見勇信も参加しているが、格闘家としての気持ちの強さ、ハードなメニューについてくるその精神力の強さを賞賛。KANAは各カテゴリーでトップクラスの男子選手も怯むというプログラムを筋肉痛に襲われながらも1年近く継続して続けているという。
所属するシルバーウルフでは、キッズコースのコーチを務めるなどファイターと同時に指導者としての顔もあるKANA。コーチの多忙なスケジュールをこなしながらも、終わると自身の練習と試合に向けてのトレーニングには余念がない。
すでに現役の女性選手としてはトップクラスのパワーと、フィジカルと技術を持ちながらも、キックのタイミングを相手の呼吸に合わせて入れたりフェイントのバリエーションを増やしたりとさらに磨きをかけている。
「これまで強みと思われていた女子でに飛び剥けたパワーで勝ち続けて来たことが一転して仇となった。パワーをコントロールできていない」とチーム側も前回のメロニー戦での敗戦理由を分析している。「1試合で他の選手の5試合分やろう」という上昇志向とともに、リベンジマッチに向けてさらなる強さは彼女の大きな武器となっている。
今回のリベンジマッチについては「自分の描いていたストーリーの中でも年内にやるというのは決めていたので、決まった時には別に驚くことなく同様することもなく、いよいよ来たなという感じですね。最低勝つ事なんですけど、勝つ事だけだったらお客さんの前で試合をする意味がないので、自分は対戦相手はメロニー選手ですけど、どれだけ会場を盛り上げて、どれだけ多くの人を試合で惹きつけられるかだと思うので。勝つのは絶対条件、魅せる試合をしてベルトを巻く」と、自身が描く年内決着はあくまで通過点と「勝ちます」と決意を誓ったKANA。
将来の目標は?という質問には「格闘技でまず日本を変えて、格闘技で世界を変える」という言葉の通り、まずはKrushの女子、続いてまだ創設されていない女子K-1階級王者とさらなる大きな目標を掲げた。
「時代にないものを創ることは簡単なことではない、今の自分だったら女子の時代を新しく作って行けると思う。」日本から世界へ女子格闘技のパイオニアとしてのKANAの挑戦に注目していきたい。