この記事の写真をみる(2枚)

 成人年齢の引き下げに合わせ、18歳でも専門資格が取れるようになるかもしれない。24日付の朝日新聞によると、「成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案に関連して、政府は公認会計士などの専門資格を取得できる最低年齢を現在の20歳から18歳に引き下げる方針を固めた」という。

 高額な買い物の契約に親の同意が必要なくなったり、民事裁判を起こせる年齢、性別変更の申し立てができる年齢も18歳以上に引き下げると政府案には盛り込まれている。しかし、18歳は本当に「判断能力がある」大人なのか。臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は、18歳=大人とすることには「反対する部分がある」と『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)で見解を述べた。

拡大する

 大学の講義などで18歳19歳の学生と接する機会も多い藤井氏。資格については「勉強して実力があればいい訳なので、どんどん取れるようになればいいと思う」と賛成する一方で、18歳が成人とみなされることへの懸念点をあげる。

 「日本では九十数%が高校に進学し、高校を卒業する年齢がだいたい18歳。そこから大学に進学したり社会に出たりするが、18~20歳くらいまでの期間は心理学で『モラトリアム』といって、“義務の猶予”とみている。これからの人生をどうするかなど、迷いを持ちながら考える時間になることも多い。早めに目標が決まって仕事をする人もいれば、そうではない人もたくさんいる。成人年齢が引き下げられ、18歳は大人だという社会からの扱いを受けると、自分もそう思わなければならない。それが成長の妨げにならないかが気になるところ」。

 また、アメリカの発達心理学者・エリクソンによる理論「人は12歳~20歳ごろの間にアイデンティティーが確立され大人になる」を引用し、「生理学的な部分と心理学的な部分が確立されて大人になるが、18歳はまだその途上。大学卒業くらいまではモラトリアム期間として、自分とはなんたるか、どこへ向かっていくのか、社会でどういう役割を果たしていくかをきちんと自分の中で決める時間でもあると思う」と心理面が確立される時期だと訴えた。

 なお、国会で法案が成立すれば2022年4月にも施行される見通しだ。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

『けやきヒル’sNEWS』は毎週月~金曜日 12:00~13:00「AbemaNews」チャンネルにて放送!

けやきヒル’sNEWS キャスター:柴田阿弥 | AbemaTV(アベマTV)
けやきヒル’sNEWS キャスター:柴田阿弥 | AbemaTV(アベマTV)
ランチタイムに最新ニュースをお届けします!ネットでは何が注目されたのか?午後の天気は?現場からの独自中継も!
AbemaNewsチャンネル | AbemaTV(アベマTV)
AbemaNewsチャンネル | AbemaTV(アベマTV)
AbemaTVのAbemaNewsチャンネルで現在放送中の番組が視聴できます。
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(2枚)