発行部数120万部を超える人気マンガ『曇天に笑う』。2013年の連載終了後にも、テレビアニメ化、劇場アニメ化、舞台化され、根強い人気を誇る同作品の初の実写映画が、2018年3月21日から公開される。『踊る大捜査線シリーズ』や『亜人』などで知られる本広克行監督がメガホンを取り、キャストは、福士蒼汰を始め、桐山漣、中山優馬、古川雄輝など旬な若手俳優たちが勢ぞろい。注目のキャストの一人、「犲」隊長・安倍蒼世役を務める古川雄輝に、作品についての思いを語ってもらった。
▶︎「曇天に笑う」をABEMAで観る
安倍蒼世との共通点は「無口なところ(笑)」
――映画『曇天に笑う』で、安倍蒼世役のオファーを受けたときのお気持ち、作品への最初の印象を教えてください。
古川:オファーを受けたあとに、舞台とアニメを見ました。カッコいい男たちのアクションシーンが印象的な作品でしたね。その中でも、僕の演じる安倍蒼世は、特殊部隊・犲(ヤマイヌ)の隊長で、とくに強い剣士の役。強い男の役というのは初めてだったので、挑戦できるのがうれしかったです。
――「強い男」には憧れはありましたか?
古川:男から見てもカッコイイと思える男というのは、やっぱり憧れがあります。そういう役を演じる機会はなかなかないので。
――実際の古川さんは強い男ですか? 演じていてシンパシーを感じる部分があったら教えてください。
古川:強さでいうと……全然違いますね(笑)。似ているのは、無口なところかな(笑)。
――演じていて苦労する部分はありましたか?
古川:アクションは初めてで、殺陣は苦労しました。しかも、本番の直前に殺陣の振りが変わったりもしたんです。カット割りのない長回しが多くて、さらに曇天にならないと撮影もスタートできないので、アクションシーンは一発勝負という雰囲気でした。もしNGを出したら、現場に迷惑をかけてしまうので、ものすごい緊迫感がありました。
撮影終わりにみんなでスーパー銭湯 桐山漣らとUNO
――「犲」のメンバーとのチームプレイはうまくいきましたか?
古川:初めて犲のメンバーで芝居をしたときに、打ち合わせなしで、さっと自分の立ち位置であろう場所に全員が移動して、それぞれのポーズを決めていたので驚きました。全員が自分の役割を理解している、すごくいいチームでした。
――カメラが回っていないときのチームプレイはいかがでしたか?
古川:かなり長期間、地方で撮影していたのですごく仲良くなりました。撮影が地下で行われていて寒かったので、撮影終わりには、犲のメンバー全員と、若山耀人くんや桐山漣さんも一緒に、近所のスーパー銭湯にみんなで行きました。
――地元の人が「なんだこのイケメン集団は!?」と驚きそうですね!
古川:いえいえ、全然です!(笑)
――スーパー銭湯ではどんなお話をしましたか?
古川:現場でUNOが流行っていたので、サウナの中でできるプラスチックのUNOを購入してみんなでやっていました。上がった人からサウナから出られるというルールで。
――厳しい撮影のあとなのに、遊びもストイックですね(笑)。とても雰囲気のいい現場だったんですね。
古川:本当に仲良くなりました。数日前も、漣さんと飲んでいました。
――そうなんですね! 作品の中では同じシーンはあまりなかったようですが、仲良くなったきっかけは?
古川:台詞のやり取りはなかったのですが、僕が一方的にカッコいいなと思っていた部分があって。それが伝わったのか、撮影終わりには漣さんのほうから誘ってくれました。すごく優しい人なんですよ。
――どんな部分に優しさを感じますか?
古川:全部です(笑)
――ほれ込んでいますね。役者として尊敬できる部分は?
古川:今回の作品に関しては、アクションがあるから事前にものすごく鍛えていました。ストイックで本当に尊敬します。
2018年の抱負は「一歩でも一段でもいいから、上を目指して」
――完成作品を観た感想を教えてください。
古川:まずは、自分の強さにビックリしました(笑)。めっちゃ強くて「つよっ!」ってなりました(笑)。アクションは初めてということもあって、撮影中は「大丈夫かな?」という不安もあったのですが、いざ本編を見ると、音が入って、編集があって、めちゃくちゃ強くカッコよく描いてもらっていました。
――映画の公開が楽しみです! ところで、古川さんは30歳の誕生日を迎えたばかりですが、30歳という節目に立って、挑戦してみたいことがあったら教えてください。
古川:これまで若い役が多かったので、大人の役を経験していきたいですね。30代は役の幅が変わる時期だと思いますので、新しい役に挑戦して引き出しを増やしていきたいです。
――ちなみにやってみたい役柄は?
古川:しいて言うなら、クズの役ですね。
――すごくギャップがあって観てみたいです! 最後に、2018年の抱負を教えてください。
古川:一歩でも一段でもいいから、上を目指して、階段を下がらないようにしたいと思っています。
――ありがとうございます!
インタビュー・テキスト:氏家裕子
写真:野原誠治