コアなプロレスファンの中には「クリスマスといえばデスマッチ」という人も一定数いるだろう。プロレスリングFREEDOMSの葛西純プロデュース『Blood X'mas』(後楽園ホール)は毎年恒例の興行。今年も危険なデスマッチがズラリとラインナップされた。

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ガラスボードの大クラッシュあり、画鋲がぶちまけられたマットで裸足になって闘う選手ありで、まさに狂気の盛り上がり。そのクライマックスとなったのが、メインイベントのKING of FREEDOM王座をかけた「リング・オブ・ペイン蛍光灯300本デスマッチ」、ビオレント・ジャックvs葛西純の一戦だ。

メキシコのデスマッチファイターであるジャックに奪われたベルトを日本に取り戻すべく立ち上がった“デスマッチのカリスマ”葛西。両者は過去にも名勝負を展開しているが、今年8月の試合では葛西が右手の中指を負傷してしまう。「皮一枚で繋がってるだけ」になった指は腱断裂、葛西は欠場を余儀なくされた。そんなアクシデントを乗り越えての、今回のタイトルマッチ実現だ。

もちろん、リングに上がった以上はジャックにも葛西にも遠慮はない。リング周りどころかマットにも敷き詰められた蛍光灯をバスバスと踏み抜きながら、文字通りの死闘を展開していった。ジャックは得意のパッケージ・パイルドライバーを場外に設置したテーブル&蛍光灯の上に決め、ラダー上からのブレーンバスター、半分に切って断面が鋭くなった空き缶を敷き詰めた蛍光灯ボードごと決めるボディプレスなど凄まじい攻撃を加えていく。

対する葛西も、ジャックの体の上に蛍光灯を置いてのパールハーバー・スプラッシュ、リバース・タイガードライバーなどで反撃。プロレスの試合では技を「避ける」「未然に防御する」ことも重要なのだが、この試合ではほぼすべての技が決まっていた。蛍光灯ごと相手の技を受けて受けて受けまくった上で勝とうという“デスマッチ・ハイ”状態に観客も巻き込まれ、場内は異様な雰囲気に。

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最後はジャックがパッケージ・パイルドライバーを蛍光灯の山の上に連発で決めて王座防衛を果たした。しかし葛西は4ヶ月前に取れかけた中指を突きたて「必ずベルトを取り戻す」と宣言。バックステージでは「試合の記憶はねえよ。あるのは痛みだけ。でもこの痛みが最高なんだ。最高のクリスマスじゃねえか」と目をギラつかせた。

葛西にとってデスマッチは「死んでもいい」ものではなく「生き抜くための闘い」だ。曰く「家に帰って風呂に入って寝るまでがデスマッチ」。突き立てた中指とともに、狂気のデスマッチ・ロードは続く。

文・橋本宗洋

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