(RIZINでキックのトーナメントに臨む那須川)
いよいよ今年も、RIZINの年末決戦が開催される。12月29日、31日のさいたまスーパーアリーナ。コミュニティアリーナで開催の格闘技EXPOも含め、3日間に渡る一大イベントだ。主催者は、年末を「格闘技のシーズンピーク」と捉えて盛り上げようとしている。
そのシーズンピーク、今回は若い顔ぶれが目立つ。ミルコ・クロコップvs高阪剛のベテラン対決、ギャビ・ガルシアvs神取忍という飛び道具的カードもあるのだが、主軸をなすのは3つのトーナメントだ。
一つは、RENA、浅倉カンナが登場する女子スーパーアトム級トーナメント。一昨年のRIZIN大晦日大会でMMAデビューを果たしたRENAは、今年10月の福岡大会(トーナメント1回戦)でメインイベンターに。もはや完全に“RIZINの顔”になった。
今年、大晦日のメインとなるのはバンタム級GPの決勝。国内外の実力派が名を連ね、29日に2回戦、31日に準決勝・決勝という過酷なトーナメントに臨む。
その中心となるのは堀口恭司だ。UFCでタイトルマッチを経験したこともある、正真正銘のワールドクラス。今年からRIZINに参戦し、圧倒的な実力で連勝を飾っている。
その堀口を追うように、同じ元UFCのイアン・マッコールもトーナメントにエントリー。パンクラス王者の石渡伸太郎、DEEP王者の大塚隆史と国内のトップファイターも乗り込んできた。石渡の表現を借りるなら「本物」の選手たちが揃ったトーナメント。その決勝が大晦日のメインイベントとなる意味は大きい。
また、人気うなぎのぼりの“神童”那須川天心に用意されたのは4人参加のキックボクシングトーナメント。那須川は以前から、RIZINでもベースであるキックの試合をしたいとアピールしており、今回は念願が叶った形だ。
ただ、キックで那須川に勝てそうな相手など、そう簡単には見つからない。そこでRIZINらしいと言えるのが、これを“異種格闘技トーナメント”にしたことだ。1回戦の組み合わせは砂辺光久vs藤田大和、那須川天心vs浜本“キャット”雄大。
砂辺はパンクラスのチャンピオン、藤田はアマチュアボクシングで数々の実績を残し、今年10月にMMAプロデビュー戦で那須川と好勝負を展開した。浜本はキックボクサーだが、素手で闘う過激格闘技ラウェイでチャンピオンになった。かねてから那須川との対戦をアピールしており、今回は一般公募でチャンスを掴んでいる。異色のトーナメントだが、やはり那須川がぶっちぎりの優勝を果たすのか、それとも他流試合ならではの「想定外」があるのか。
新時代を作るのは、やはり若い選手たち。今年の年末は、その象徴となる大会だ。