12月29日、今年もさいたまスーパーアリーナ連続開催となるRIZINの初日でメインを飾ったのは堀口恭司だ。元UFCトップファイターの堀口は、まさにワールドクラスと言うべき実力を見せつけた。
10月の福岡大会で川尻達也をKOしたガブリエル・オリベイラをまったく寄せつけない。ローキック、ストレートなどの打撃は、少年時代から打ち込んできた伝統派空手をベースとするもの。遠い間合いから大胆なステップインとともに放たれるため、対戦相手にとっては厄介この上ない。
組んでの展開でもきっちりテイクダウンに成功、全局面で優位に立った堀口は、的確としか言いようがない右ストレート、さらに返しの左フックでオリベイラをKO。大晦日のGPファイナル(準決勝・決勝)に駒を進めた。
「大晦日はもっと盛り上げます!」と言う堀口。準決勝で対戦するマネル・ケイプが「これは俺のためのトーナメント」と意気込みを語ると、それを受けて「何言ってんの、俺のトーナメントでしょ!」とも。
これ以上ないほど絶好調。大晦日に向けて期待感を高める、完璧な「メインの仕事」だった。
文・橋本宗洋