プロレスラーとしても活躍中の“筋肉アイドル”才木玲佳が、東京女子プロレスの後楽園ホール大会(1月4日)でTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王座の防衛戦を行なう。挑戦者は初代王者でエースの山下実優。団体トップの座を争うにふさわしい対戦だ。
アイドル、タレントとしても注目度が高まる中、レスラーとしても飛躍を果たした。2017年。才木に東京女子プロレスへの思い、タイトルマッチにかける気持ちを語ってもらった。
(聞き手・橋本宗洋)
(年末には『グラビアン魂アワード』も受賞。プロレスとグラビアで2冠を達成した才木)
――昨年3月にプロレスデビュー、その後6月から東京女子プロレスに参戦して、今年8月にはチャンピオンになりました。ここまでは手応え充分という感じですかね。
才木 それはもう! チャンピオンになったので。でもチャンピオンになることがゴールではないなって。もっと強くなりたいし“女子プロレスラーの才木玲佳”として認められたいんですよね。
――“アイドルなのにプロレスも頑張ってる”程度じゃないぞと。
才木 今は、前に比べてプロレスをするのがもっともっと楽しくなってるんですよね。チャンピオンになれたこともありますけど、力がついてるっていう実感があるので。それって、東京女子プロレスで定期的に試合をさせてもらってきたからだなって。だから一番大きいのは、もっと東京女子プロレスを世の中の人たちに知ってほしいっていうことですね。今はまだ、女子プロレスっていうと他の団体さんの名前が先に出てくるじゃないですか。それが悔しくて。
――それだけ団体への愛着もあると。
才木 凄く面白いと思うんですよ、東京女子プロレスって。いろんなキャラクターがいるじゃないですか。
――超乳コンビ、ゾンビ、体操のおねえさんとか。沙希様のパートナーのアズサ・クリスティはシスターで「沙希様の御加護」で闘ってるらしいですし。
才木 その中で私も“筋肉キャラ”を伸び伸びとできてるなって。他の団体だったら、抵抗があったかもしれないじゃないですか。
――「アイドルのくせに」とか「しかも筋肉が売りなの?」みたいな。
才木 東京女子ではそういう反応がファンの人も含めて全然なくて。
――初戦の相手が「アナウンサーを目指してプロレスラーになった」っていう滝川あずさ選手ですからね。誰も「何がアイドルだ」って言いませんよ(笑)。
才木 自分自身が大好きな団体なので、もっと広めていきたいんですよね。そのために、チャンピオンベルトも毎日持ち歩いてますし。
――以前、ゴールドジムのパーティーで高木三四郎大社長とベルト姿で記念撮影してましたよね。
才木 あれは喜んで頂けました(笑)。取材の時でも、プロレスの話題が出たら「あっ、チャピオンベルトありますよ」って言って、写真撮ってもらったり。ちょっとしたきっかけでベルトを出して、プロレスの話を広げるっていう(笑)。テレビだと衣装とか企画の関係で出せない時もあるんですけど。
――まあクイズ番組に「インテリ芸能人」として出るときには要らないかもですね(笑)。
才木 そこがねぇ(笑)。でも、こういうことができるのも私だからだと思うんですよ。せっかくいろんなメディアに出るお仕事をさせてもらっているので、それを通じて東京女子プロレスをアピールしていきたいです。
――“イッテンヨン”1月4日の後楽園ホール大会では、初代王者にして団体一期生、エースである山下実優選手との防衛戦が決まりました。
才木 山下はタッグパートナーなんですけど、実力があるし団体の看板選手。私と一緒で蹴りが得意なこともあって「いつかやるだろうな」「やりたいな」っていう気持ちはありました。山下とならいい試合ができるっていう確信もありますし。
――その「いい試合」というのは、どんなタイプの試合ですか?
才木 激しい試合、潰し合いですね。お互い蹴りまくって、真正面から全力でぶつかってっていう。そういう試合ができる相手が山下だと思うので。
――トーナメントで優宇選手にリベンジ、坂崎ユカ選手からベルトを奪ってますから、歴代王者で倒していないのは山下選手だけ。最後の壁ですね。
才木 山下に勝ってこそだと思います。真のチャンピオンだし、本当の団体のトップになれるなって。たぶん、そう思ってるファンの人も多いんじゃないかなぁ。
――今ベルトを巻いているという以上の存在になりたいと。
才木 そうです。それだけ東京女子プロレスが好きなので。
――実は才木さんは所属選手じゃなくフリー参戦なんですけど、そこまで思えるっていい関係ですよね。
才木 あ~! そういえば所属じゃないんですよね(笑)。
――だから今の状態って、客観的には“ベルト流出”なんですけど、誰もそうは思ってないっていう(笑)。瑞希選手との防衛戦にいたってはフリー同士だったんですけど。
才木 ホントだ(笑)。でも所属じゃない選手もみんなあたたかく迎え入れてくれるんですよね。その上で、いい試合をして競い合うっていうだけで。ファンのみなさんもそうですけど。本当にフリーっていう感覚がなかったです(笑)。“東京女子愛”が強くて。山下に勝ちたいのもそこですね。私の“東京女子愛”を見せたい。
――そういう理由があるからこそ勝ってトップに君臨したいし、チャンピオンとして世間に広める役割を担いたいと。
才木 一回、見てもらえば分かると思うんですよ。プロレスのことを知らない初心者が見ても面白いじゃないですか、東京女子って。誰かしら応援したくなる選手が見つかると思いますし。その最初の一回、一歩目のきっかけに私がなれたらなって思いますね。