新日本プロレスの1.4東京ドーム大会で、オカダ・カズチカvs内藤哲也のIWGPヘビー級選手権と並ぶダブルメインとして行われたのが、IWGP USヘビー級タイトルマッチだ。

王者ケニー・オメガに挑んだのはクリス・ジェリコ。昨年、ドームと大阪城ホールでオカダと死闘を演じたケニーに対し、ジェリコは世界最大の団体WWEでもトップを張った名選手だ。しかも2人はカナダの同じ街の出身。DDT→新日本で出世したケニー、若き日にWARで活躍したジェリコと、日本に縁の深い選手同士でもある。

反則裁定なしの「ノーDQマッチ」として行なわれたこの試合は、序盤から荒っぽい展開に。場外へのダイブをかわされたケニーがテーブルに突っ込み、しかし場外戦ではテーブルの下敷きにしたジェリコにダイビング・フットスタンプをお見舞いする。

ベテランのジェリコが繰り出す攻撃はシンプルなもの。スワンダイブを狙ったケニーへの三角飛びドロップキック、ライオンサルト、コードブレイカー、そしてウォール・オブ・ジェリコ(逆エビ固め)などを要所で決めたが、技の派手さや手数よりも間合いやタイミングのよさが際立っていた。とりわけケニーの必殺技・片翼の天使を切り返してのウォール・オブ・ジェリコは絶品。椅子を使っての攻撃も説得力抜群だった。

一方、ケニーはノータッチ式のトペ・コンヒーロ、Vトリガー、ドラゴンスープレックスなど大技を連発して見せ場を作っていく。場外のテーブルにジェリコを叩き落とす場面も。そしてフィニッシュは、なんとイスの上に決める片翼の天使。強烈な一撃でケニーが“レジェンド超え”を果たした。

ケニーが防衛したUS王座は昨年、新設されたもの。にもかかわらず、タイトルマッチがドーム大会のダブルメインになった意味は大きい。現在の新日本プロレスにおけるテーマの一つは“世界進出”だ。個性豊かな外国人選手を数多く擁する新日本にあって、そのトップに君臨しているのがケニー。今年はアメリカでの興行がさらにスケールアップするだけに、US王者の役割もますます重要なものになっていくだろう。

(C)AbemaTV

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