
週末に実施されたセンター試験。全国で約55万人が受験したが、日本列島に居座った寒波の影響でトラブルが相次いだ。
試験初日の13日、北海道室蘭市では特急列車に乗用車が衝突する事故が起き、受験生4人が足止めされた。受験生は事故の処理などに来ていたパトカーでそれぞれの会場まで送られ、無事受験できたという。雪が降り続いた新潟市では、JRの複数の駅で大幅にダイヤが乱れたほか、路線バスにも遅れが出たため2つの会場で試験開始が1時間繰り下げられた。

そんななか、今年も発生したのがセンター試験での“不正行為”。「試験終了後のマークシート修正」「開始前に問題冊子を開きリスニング機器を操作」「分度器の使用」で、合計4人が試験無効になったという。では不正行為の摘発はどのように行われるのか。『けやきヒルズ』(AbemaTV)では、これまで約10年にわたって“センター試験監督”を経験した明星大学准教授の藤井靖氏にその裏側を聞いた。
試験監督側には分厚いマニュアルや事前講習があると話す藤井氏。リスニング試験の導入など、変化する試験への対応は「大変」だという。今回、嘔吐しても試験を継続した生徒がいたことについては「(試験を)止める、止めないの判断は難しい。試験を見ることに我々は慣れているが、センター試験のやり方というのが難しい」と説明する。

また、特にカンニングを摘発する難しさに言及。「複数人が確認してはじめて成り立つ。1人だけで見つけたというわけにはいかないし、カンニングしていそうだけど確認できない微妙な場合もある。もし間違って冤罪だったら生徒の人生を壊すかもしれない。我々も注意して見るが、不正行為の摘発は難しい部分もある」と語った。
最後に藤井氏は「不正行為なく真面目にやっている人が大部分で、そういう人の不利益にならないよう不正を見つけなければならない」とした。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)


