2月12日に開催する「KNOCK OUT」、那須川天心の対戦相手がスアキム・シットソートーテーウになることが発表された。これまでキックボクシングで破竹の23戦23勝、その間にMMA挑戦や、先日のRIZIN初のキックボクシングトーナメントを制するなど、連勝街道をひた走る神童だが、「今度こそ那須川天心も勝てない相手だろう」と周囲の声も聞こえてくる。そんなスアキムとはどんな選手なのか?
ムエタイの最高峰、ルンピニー・スタジアムの元王者という肩書きのスアキム・シットソートーテーウ。2月に梅野源治がライト級王座決定戦に臨むが、日本人選手にとっては悲願ともいえるタイトルだ。スアキムはスーパーバンタム級の元王者。21歳の若さから年齢的にも近く「タイの神童」との対戦といえるだろう。
現在分かっている情報では、スアキムはすでに2階級上のスーパーフェザー級で、1月に現役王者をTKOで倒している正真正銘のトップ選手。今回那須川の階級の55.7kg契約で対戦するため減量という不利な面を差し引いても、「史上最強の相手」という表現は揺るがないものになりそうだ。また172センチ(公称175センチ)という身長で165cmの那須川は10センチ近い身長差やリーチ差なども考慮に入れて戦わなければならない。
「KNOCK OUT」の小野寺代表も自身のツイッターで「タイでは強すぎて同階級に相手がいない程の選手、スアキム。身長も高く、天心に取ってはやり辛そうな試合スタイルです。間違いなく過去最強の相手を用意しました。天心に初の黒星が付くのか!?これまで通りの圧巻KO勝ちか!?ご期待下さい!」と敢えて厳しい相手を当てたことを明言している。
振り返ると「KNOCK OUT」の旗揚げ大会となった「Vol.0」でもルンピニースタジアム現役王者のワンチャローン・PK・センチャイムエタイジムとの対戦が発表された際も挑戦者だった。18代の若者が対戦するにはあまりにも酷な相手との那須川不利が伝えられてたが、フタを開けると1Rに戦慄のバックスピンキックでKOで勝利を掴み、下馬評を覆した。
ここ1年を見る限りでも次々とKOの山を築き日本では敵なしの神童、那須川天心。20歳を前にして、MMA、ボクシングなど様々な戦いの場の選択も考えられるが、主戦場のキックボクシング/ムエタイ最強の刺客スアキムを撃破することは、大きなステップアップになることは確かだ。
あまりにも強い印象がつきすぎて連戦連勝が義務付けられつつある那須川だが、今後の格闘技キャリアを見据え、現在地を測る意味でも興味深い試合になりそうだ。