統一会派を目指すことで大筋合意している民進党と希望の党。しかし両党内で反対論が巻き起こり、希望の党の玉木代表が「分党」を提案するなど、“旧民主党”が迷走している。

17日午前、民進党の両院議員総会では「希望との会派結成を一体誰が望んでいるのか」など、立憲民主党との話し合いを優先させるべきだという声があがったという。岡田氏率いる「無所属の会」は統一会派反対側にまわり、党が統一会派を押し切ったとしても衆議院で立憲民主党の数を抜いて野党第一会派になる構想は実現しない。
こうした状況に、希望の党側の雲行きも怪しくなっている。希望の党内では、結党メンバーからの「民進党とは組めない」という声に玉木代表は分党を提案した。代表が発言したことで分党は避けられないとの見方もあり、希望の党、民進党が再分裂する公算が高まっている。
一方、希望の党への合流を認めない立場から立憲民主党を立ち上げた枝野代表は「野党再編や党と党の合併は一貫して嫌い」と、政局ありきの合併はしないことを主張している。
「何のために希望の党ができたのか。立憲民主党を含め、野党第一党というのは政治に緊張感をもたらす重要な存在。この有り様では政策の話にならない」

『けやきヒルズ』(AbemaTV)にコメンテーターとして出演した東京工業大学准教授の西田亮介氏は、旧民主党の迷走にこのように苦言を呈する。
政党支持率は3党とも1ケタ台と低迷。どのような政策を主張していくかが問われているが、一方で西田氏は「憲法改正」が重要なカギだと指摘する。「自民党を中心に、今年中に憲法改正の発議をしようという動きがある。立憲民主党は安倍政権の間は改憲を進めないスタンスをとっているが、民進党、希望の党はどちらかというと肯定的な立場。政党内の混迷が続くと、明確な議論がなされないまま改憲基調が一気に進んで行く可能性がある」と懸念点をあげた。
来週22日からは通常国会が開かれる。西田氏は「野党には、与党の主張が適切なものなのか国民に代わって監視していく重要な役割もある。政策のスタンスがはっきりしないことにはその役割も果たせない」と苦言を呈した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)


