(デビュー2戦目でRIZIN登場、勝利を飾った渡辺)
RIZINによって日本でも女子MMAが脚光を浴びる中、昨年大晦日の女子GP決勝はジャンルを牽引するRENAが浅倉カンナに一本負けするという劇的な結末となった。
RENAにとっては屈辱の敗戦だったはず。しかしこの結果によって、今後の女子戦線がさらに面白くなったと見ることもできる。スターが登場し、そのスターを負うライバルが登場。それに続く選手がいて、ジャンルが活況になればなるほど選手、選手志望者も増えていくというもの。
実際、今の女子MMAには注目すべき選手が多い。その筆頭が渡辺華奈だ。柔道の強化選手だった渡辺は、昨年12月のDEEP JEWELSでMMAデビューを果たすと圧巻の実力を発揮。しかも組み技だけでなくパンチの強さも見せた。柔道の強豪だったというだけでなく、あくまでMMAの選手として、このジャンルに一から取り組んでいる。
渡辺はリング上でRIZIN参戦をアピールすると、年末の杉山しずか戦が決定。MMAキャリアが豊富な杉山とは接戦になったが、判定で勝利を収めた。デビュー2戦目だから快挙と言うしかない。3戦目は3月10日のDEEP JEWELSで奈部ゆかりと対戦。もはやフライ級では日本のトップファイターの一人と言っていいだろう。
この3.10JEWELSでは、メインで黒部三奈vsSARAMIのアトム級タイトルマッチも。日本女子を代表する実力者である彼女たちも、ジャンルの成熟とともによりスポットが当たるようになるのではないか。
(デビュー戦で確かな実力を見せた仮面女子・川村)
アイドルグループ・仮面女子のメンバーである川村虹花も有望株。12月のデビュー戦(判定勝ち)はセミプロルールだったが、3.10JEWELSの古瀬美月戦でプロデビューとなる。
「アイドルが格闘技に挑戦」という形で話題になるのは当然のことだが、しかし川村は「話題先行」とも言えない。プロレスでデビューした際に絶賛された身体能力やセンスはMMAでも健在。年間1000本と言われるライブの合間を縫って練習に励んできただけに、ファイティング・スピリットも相当なもの。
デビュー戦では鋭い蹴りを連発、加えて相手のパンチにもひるまず前進してタックルを決めた。守勢に回った時に気持ちで負けないのは、ファイターとして大事な要素だ。目標は「さいたまスーパーアリーナで試合をすること」だという。
すでに一級品の選手から有望株まで、注目度が上がっていきそうな女子選手たちの多くはDEEP JEWELSで闘い、経験を積む。いわば日本女子MMAの最前線。そこでの活躍はRIZINのマッチメイクにも直結しているだけに見逃せない。
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