日本が世界に誇るレジェンドファイター・桜庭和志が新イベントを旗揚げすることになった。自身が代表をつ務める、そのイベントの名は『QUINTET Grappling Team Survival Match』。第1回大会は4月11日、両国国技館で開催される。
この『QUINTET』は、打撃なしのグラップリングの大会。個人戦ではなく団体戦で、5人1チームの“抜き試合”で対戦する。決着は一本のみだが、先鋒の選手が相手の大将まで“5人抜き”する可能性もあるわけだ。メンバーの体重の合計は430kgまで。この範囲の中で、組み合わせしだいで重量級の選手と軽量級の選手が対戦する場合も出てくる。
両国大会には4チームが参加し、トーナメントで優勝を争う。今年は日本を皮切りに、グラップリング熱の高いアメリカ、ロンドンでも大会を開催予定とのこと。またルールの詳細については調整中で、2月1日の会見ではヒールホールド禁止(ケガ防止が目的)、クロスガード(クローズドガード)は時間制限あり(膠着防止)というアナウンスがされている。
桜庭が率いるのは、サプリメントなどを手がけるHALEOがバックアップする「HALEO DREAM TEAM」だ。メンバーは桜庭に加えジョシュ・バーネット、所英男、中村大介、マルコス・ソウザ。MMAでも“極め”重視、プロ意識の高い試合で知られるベテランと柔術の強豪ソウザという魅力的なメンバーだ。
他のチームでは、JUDO Dream Teamとして石井慧、ユン・ドンシク、チョン・ブギョン(+2名)とSAMBO Dream Teamのテオドラス・オークストリス、ミキータ・ミフノ、マリウス・ザロムスキー、セルゲイ・グレチコ、ミンダウガス・ベルツビカスも発表。
さらに、コアな格闘技ファンを狂喜させているのが、イギリスのプロ柔術イベントPOLARISが送り込んでくるチーム。グレゴー・グレイシー、チャールズ・ネグロモンテ、クレイグ・ジョーンズ、ダン・ストラウスに加え、会見中に流れたVTRで宇野薫が加わることも発表。
組み合わせ、勝ち上がりによっては桜庭vs新世代グレイシー、あるいは桜庭vs石井なども見られるかもしれない。また中村が「理想とするプロレスリングで盛り上げたい」と語ったように、それぞれが得意とするファイトスタイルのぶつかり合いも見もの。
所のような軽量級の選手が重量級ファイターとどう渡り合うかも注目だ。所は会見で「まずは一本取らせない試合をしながら、見せる試合も頭に入れていきたいです。結果、一本取れてるといいなと思います」とコメントしている。
団体戦だけに、重量級のポイントゲッター相手に軽量級の選手が引き分ければ、それもチームの勝利に大きく貢献することになる。つまり一本の魅力だけでなく“引き分け狙い”にも面白さが出てくるかもしれない。打撃がないだけに分かりにくいと言われがちなグラップリングだが、団体戦、抜き試合という要素も含め、多様な楽しみ方ができるイベントになるのが理想だろう。