(他団体からの挑戦も受けていきたいというイケメン)

福山雅治の「HELLO」を1曲丸ごと使う、リングインしそうてしない焦らし入場でも人気の黒潮“イケメン”二郎が、ホームリングであるWRESTLE-1(W-1)のメインに登場した。

2月14日の後楽園ホール大会、イケメンは伊藤貴則が持つリザルトチャンピオンシップに挑戦。入場では1曲使い切るどころか2周目に入ったところでようやくリングに。試合前からイケメンワールド全開で観客を味方につけた。

試合でも雪崩式フランケンシュタイナーなど華のある攻撃を連発。さらに寝技で真っ向勝負し、コーナー最上段で伊藤をアームロックに捉えてそのまま雪崩式でグラウンドに持ち込むという場面も。こうした立体的な動きがイケメンの真骨頂だ。

伊藤の重厚な蹴り技、ジャーマンスープレックスには苦しんだが、最後は師・船木誠勝の得意技であるハイブリッド・ブラスターからムーンサルトプレス2連発を決めて3カウントを奪った。

戦前から「このベルトを使ってやりたいことがある」と語っていたイケメン。その一つは「デザインを変える」ことであり、もう一つは「イケメンの選手にしか挑戦させない」というもの。プロレスのタイトルは階級やルール、国・地域などさまざまなカテゴリーに分かれるが“男前限定王座”はあまりにも独創的だ(なお、ケースバイケースで「心がイケメン」の選手にも挑戦権が与えられるかもしれないとのこと)。

リザルト王座に挑戦した理由については「W-1を活性化させるためのベルトらしいんですけど、活性化してないので挑戦しました」とイケメン。すなわち、狙いは団体の活性化であり改革だ。

日頃から「W-1を盛り上げたい」、「W-1のために」と語っているイケメン。DDT参戦などで話題性、知名度も他の若い選手よりあるからか、責任感も強いのだろう。自分が中心になって渦を巻き起こす。そのためにベルトが必要だったのだ。

かつて中邑真輔が君臨した新日本プロレスのIWGPインターコンチネンタル王座のように、チャンピオンがベルトに色をつけ、価値を上げることもある。リザルトチャンピオンシップの“イケメン王座化”もそれが理想的な展開ではないか。試合を終えるとグッズ販売コーナーに直行、ファンサービスに努めていたチャンピオンが「ベルトをイケメン色に染める」ことで、W-1はさらに面白くなるはずだ。

文・橋本宗洋

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