いよいよ明日2月17日、日本中の将棋ファンが注目する大一番が行われる。第11回朝日杯将棋オープン戦準決勝、羽生善治竜王対藤井聡太五段。2人の公式戦初対局とあって、各メディアでもこれまでの戦いぶりや戦前の予想などが相次ぎ、日増しに注目度が上がっている。

 AbemaTVの公式Twitterアカウントでファンに勝敗予想のアンケートを実施したところ、6394票の回答が集まり、60%が羽生善治竜王の勝利と予想した。棋士の間でも勝敗予想が分かれる中、ファンは国民栄誉賞も受賞した第一人者が有利と見たようだ。改めて、両社の過去の実績、最近の調子を確認してみた。

 まず羽生竜王。言わずと知れた将棋界の絶対王者で、昨年末には竜王のタイトルを奪取し、永世竜王の資格を獲得。永世資格のない叡王を除く7つのタイトルですべて条件を満たす「永世七冠」を達成した。また、この朝日杯においては、過去10回中5回も優勝。持ち時間40分、切れたら1分の「早指し戦」は一般的に若手が有利と言われるが、むしろ圧倒的な力を発揮し続けている。今年度の成績は28勝21敗。勝率は2年続けて6割を切る0.5714となっているが、棋聖(防衛)、王位(失冠)、王座(失冠)、竜王(奪取)と、ハイレベルなタイトル戦が続いたことを考えれば、47歳でもまだまだ最上級の実力者だ。

 一方、藤井五段は一昨年の12月から昨年6月まで6カ月間続いた29連勝をはじめ、全棋士の中でも圧倒的な数字を残している。今年度の成績は65局して54勝11敗、勝率は0.8307。対局数、勝数、勝率、連勝の全4部門でトップに立っている。羽生竜王と比べ、成績下位との棋士との対局も多く、デビュー直後でも実力があればハイレベルな数字を残すことはあるが、それを加味しても驚異的な数字と言える。また現在、公式戦9連勝中と好調だ。さらに、タイトルホルダーや順位戦A級など、トップクラスの棋士に敗れることもあったが、今回の朝日杯準々決勝では佐藤天彦名人(30)に快勝。この勝ちっぷりに、棋士の間でも実力を再評価し、成長ぶりを指摘する声が続出した。

 対局開始は午前10時30分。2時間足らずのスピード勝負だけに、戦局も分単位で大きく変わる可能性もある。見る側にとっても1手たりとも気を緩めることができない、しびれる一局になりそうだ。

(C)AbemaTV

▶第11回朝日杯将棋オープン戦 準決勝・決勝

第11回朝日杯将棋オープン戦 準決勝・決勝 | AbemaTV(アベマTV)
第11回朝日杯将棋オープン戦 準決勝・決勝 | AbemaTV(アベマTV)
2月17日朝8:30から朝日杯準決勝・決勝を生中継でお送り致します。 全プロ棋士、アマチュア10人、女流棋士3人の計173人が優勝を争うトーナメント戦。 前人未到の「永世七冠」を達成した羽生善治竜王…