現在、アメリカの総合格闘技最大の団体UFCを娯楽性あるマッチメイクで猛追している「ベラトール」。かつて日本をわかせたレジェンド・ファイターたちや、元UFCのトップランカーたちの次なるチャレンジの場として参戦、年々勢いを増している。
そんな中、ベラトールが今年開催しているのが「第4代ヘビー級王者決定トーナメント」だ。かつての「PRIDE」のようなワンデイトーナメントではなく、ほぼ毎月1試合のペースで試合が組まれ、1回戦から決勝までを年間通しで行うというユニークなトーナメント。
参加者は、クイントン・ランペイジ・ジャクソン、チェール・ソネン、フランク・ミア、エメリヤーエンコ・ヒョードル、ロイ・ネルソン、マット・ミトリオン、キング・モー、ライアン・ベイダーの8人。
1月と先日行われた2月の大会で、チェール・ソネンとマット・ミトリオンが1回戦を突破。そんなベラトールのヘビー級トーナメントの魅力を、和術慧舟會HEARTS代表である大沢ケンジが解説した。
ベラトールとUFCの違いについて大沢は「UFCが世界の頂点を決める大会で強さを競う。例え無名でも出場してきて強さを競う場だとしたら、ベラトールは人気のあるみんなが観たい選手を集める」そして今回のヘビー級トーナメントについては「見たい選手を集めたオールスター、映画でいう『オーシャンズ11』、スターを集めて誰が勝っても面白いみんなが見たくなる大会」と説明した。
さらにポイントとして挙げたのは「日本ぽいなと思うのは、アメリカだとスポーツ的な考え方で『ヘビー級はヘビー級の選手だけで』という思考が多いのに、キング・モーとかチェール・ソネンとかランペイジ・ジャクソンもライトヘビー級の選手とピュアなヘビー級の選手じゃないのを集めて、見たくなるような大会になっている」と語っている。
そんな中から1回戦を突破した注目選手チェール・ソネンについて「UFCでトラッシュトークで名前をあげて、無敵だった頃のアンデウソン・シウバを一番追い込んだ選手。レスリングを駆使して、頭の良い戦い方をする選手。元々はミドル級の選手が2階級を上げて戦う、最近は気持ちの弱さを見せるところもあるけれど、トラッシュトークは全然陰ることなく、試合では向かっていく姿勢で。2階級下からヘビー級にチャレンジするUFCで考えられないベラトールだからトライさせてもらえるようなことをしっかりやっている」と解説している。
実際、体重差10キロ以上と言われたトーナメント1回戦のランペイジ・ジャクソン戦でも、自身のレスリング技術を駆使したインテリジェンス溢れる戦略で、強力なストライカーのランペイジを完封。
テイクダウンが目立った試合では観客からブーイングを浴びつつもどこ吹く風、粛々と体重差を埋める戦術で試合をモノにした。ソネンの2回戦の対戦相手はまだ決まっておらず4月28日の大会で行わるフランク・ミアとヒョードルの勝者と対戦する。この対戦も元UFC王者ミアと元PRIDE王者ヒョードルというレジェンド対決として期待の一戦となっている。