昨年5月、タイで性別適合手術を受け、同年7月には戸籍上も女性になったタレントのGENKING。本名も元輝(げんき)から沙奈(さな)になり、心身ともに女性として再スタートを切った。手術後しばらく芸能活動を休んでいたが、今年1月29日に「ご報告」と題したアメブロでファンへ復帰を報告した。
久々にテレビやSNSに登場したGENKING(沙奈)はやわらかい雰囲気が加わり、充実している様子だ。公表から1週間たった2月頭、取材場所である事務所を訪ねるとリラックスした笑顔で、現在の心境や今後の展望について語ってくれた。
本当の自分になれて、とても幸せ
ーー告白後の反響がとても多く、アメブロの投稿にも「前よりも綺麗になった」「人生を楽しんでほしい」と女性としてのこれからを応援するコメントが目立っていました。
GENKING:6~7000件のメッセージをもらったんだけど、これまでは批判するものもあったのにすべてが応援する内容だったの。良いスタートを切れて良かったと思う。
ーーSNSではこれまでの葛藤や心境を発信されていますが、振り返っていかがですか?
GENKING:これまでの投稿を見返したら、本心を書いてきたけれど解決されていない悩みがあったからひねくれていた。過去のブログやインスタで“元輝”の部分のものは、全部消した!元輝には感謝しているけれども、沙奈として新しい人生が始まったいま、ゼロからのスタートがいいから。これからも、インスタグラムは写真、ツイッターはひとりごと。ブログには日記で気持ちを伝える場として、発信していきたい。
ーー心の葛藤や手術について、著書「僕は私を生みました。」(双葉社/2018年1月29日発売)でも赤裸々に綴っていましたね。
GENKING:私にとっての性別適合手術は、病気が治ったというように思っている。だから、病気のことを、何度も言われたり、思い出したくないの。イジメにあっていた人が、転校した先で「イジメられていたんだってね、大変だね」って言われたくないのに近い気持ちなんじゃないかな。同じような悩みを持つ人の参考や助けになればと考えて、本を出すことにしたの。導かれていると感じていて、本を出すのは宿命だったのかなって。私の体験に共感して欲しいとかではなく必要な人に届けばいいなと思ってる。
ーー公表したことで、同じ悩みを抱えている人の救いにもなったのではないでしょうか
GENKING:公表したことで、間違えてもらいたくないと思っていることがあるの。私は自分は病気で、手術をして治って、今とても幸せ。そう思っている。けれども、同じ悩みだから同じ手術をすれば幸せになるというわけじゃない。自分の悩みに向き合ってほしい。悩んで悩んで、そのあとで選ぶものは人それぞれだと思う。みんなにはよく考えてって言いたい。悩んでツラくても、生きている限り今は“過程”だから、悩んでいる日々を耐えたら、必ず乗り越えられるから。
元輝はすべてが「ウソ」だった
ーー沙奈(さな)という名前について教えてください
GENKING:タレントとしてはできないことも、プライベートでの旅行とかでは、好きなスカートをはいたり自分らしくしていたの。そしたら、気づいたら仲の良い友達が私のことを「サナギのようだから、サナちゃん」って呼ぶようになってて。女性ならサナって、自然に決まった。漢字はね、画数で決めた(笑)。本当は“菜”のほうが可愛いな~とかあったんだけどね、“奈”のほうが画数が良いみたいで。もう今後の人生、画数にも助けてもらおうって思って(笑)。そのおかげか、本名が沙奈になってから、恋愛も仕事もいろんなことが本当に順調!
ーー将来のことも考えていますか?
GENKING:結婚したいし、子供がほしい。好きな相手の遺伝子を残したい。これからは自分のためではなく相手や子供のために生きたいから、家庭が欲しいって思ってる。犬もね、飼いたいなと思っているけれど、この子なら!という子に出会うのを待っている。元輝の時だったら欲しいと思ったらすぐ飼っていたと思う(笑)。本当に気持ちが穏やかになった。
ーー生活習慣なども変わりましたか?
GENKING:休みの日も家にいることが多くなったし、友達と会うのもランチになったかも。知らない場所に夜いきたくないし、コワイから遅い時間に出歩きたくないって思う。沙奈はとても保守的なの。
ーー他に変わったことは?
GENKING:元輝時代のものや服はぜ~んぶ捨てて、引っ越しもした!ファッションの好みも変わった。以前はファストファッションをたくさん買っていたけれど、今はCELINEや3.1 Phillip Limなどの上質なものが好き。あとは、昔はアピールしたくて着ていた胸元が開いた服とかがイヤになった。
ーー最後に、今後の活動や展望について教えてください。
GENKING:今の私がいるのはファンのみんなのおかげ。ファンと交流する機会をもっとつくっていきたい。ディナーショーのようなファンがお金を使うようなものではなく、無料でみんなが来れるような場所で。たとえばデパートでのトークショーとか…。今後の人生は、正直に生きたい。もうウソはつきたくないから。元輝には「頑張ったね、ツラかったね」と声をかけてあげたい。今は、本当の自分になれてすっごい幸せ!だから、元輝だった時の事や、手術の話題じゃなくて、一人の女性“沙奈”となった新生GENKINGとしてのお仕事が早くできるようになるといいな。