今月17日にロンドンで開かれた国際映画祭の長編ドキュメンタリー部門で、『ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~Behind "THE COVE"』(現在、189カ国でネット配信中)の八木景子監督が最優秀監督賞を受賞した。
 八木監督が同作を製作する発端となったのが、タイトルの通り、映画『ザ・コーヴ(THE COVE)』(2009年、ルイ・シホヨス監督、米)をめぐる問題だ。立ち入り禁止区域に侵入し、イルカの捕殺場面を隠し撮りするなどして残酷性を強調、和歌山県太地町伝統のイルカの追い込み漁を批判的に描いた作品だったが、アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞を受賞した。その後、日本の捕鯨やイルカ漁に対する国際世論の厳しい見方が広がり、太地町の人々に世界中から"野蛮・虐殺者・変態民族"などの心無い言葉を浴びせられた。