
「ゲイリー・オールドマンに心より感謝します。あなたと素晴らしい旅をできたことを光栄に思います」
「第90回アカデミー賞」の授賞式が日本時間の5日に行われ、メーキャップ&ヘアスタイリング賞に『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』の特殊メイクを手掛けた辻一弘さんが選ばれた。
辻さんはこの作品で、主演のゲイリー・オールドマンをふくよかな外見のウィンストン・チャーチル元イギリス首相に仕立てたことが高く評価されての受賞となった。

この部門を日本人が受賞するのは初めてで、日本人のオスカー受賞は2014年に宮崎駿監督が名誉賞を受賞して以来、3年半ぶりの快挙となった。
辻さんの母校・龍谷大学付属平安高等学校の美術室には、辻さんが美術の授業で描いた「ライオンの絵」と「木彫りのカブトムシ」の作品が今も飾られているという。

高校時代の担任・三條場裕之さんは当時の辻さんを振り返り、「普段は物静かで、どちらかというとどこに居るかわからない位の子。ただ、手先は非常に器用で、びっくりさせられたのが、やけどの痕のケロイドを作って『こんなんなってしまいました』と言ってきて、『どうしたんや』って言ったら(メイクを)べろっと剥がして」と語った。
高校時代の進路相談では大学進学の道を選ばず、映画メイクの世界に行きたいと単身渡米した辻さんは見事に夢を叶えた。
辻さんは“夢の叶え方”として「夢があったら絶対に他人の意見は聞かないように。自分に正直に、自分の心に聞いて決定すべき。親でも友達でも先生でも絶対に聞いたらダメです」と語っている。
また、『けやきヒルズ』(AbemaTV)でキャスターを務める柴田阿弥も、辻さんの考えに「私もそう思うんです」と賛同。「人に言われて自分が『こうだ』って思っているものを変えたら、何年後かに『ああすれば良かった』って自分もその人も責めちゃうかなって。だから自分で決めようと思っているんです」と自身の考えを話す。
さらに、SKE48卒業時を振り返り「『グループを離れてうまく人は少ない』『今柴田が辞めたって仕事なんてないよ』って散々言われたんです。でも、その人はアイドルではないし、全く同じ立場ではないのに『無理だ』っていうのはおかしいと思った。だから、何事も自分で決めて、家族にも申し訳ないですけど全て事後報告なんです」と告白。「何かを成し遂げるのはすごく大変だし、新しいことをするのは人の進んだ道より100倍難しいと思うけど、覚悟があれば一握りになれると私は信じています」と思いを語った。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)


