押切蓮介の人気漫画を実写化した映画『ミスミソウ』の完成披露試写会が3月8日、東京・新宿バルト9にて開催された。登壇したのは、本作で映画主演を飾った山田杏奈をはじめ、清水尋也、本作が映画初出演となる大谷香、内藤瑛亮監督だ。

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 イベントはサプライズで原作者の押切先生から直筆のイラストが届いたほか、主題歌「道程」を歌うタテタカコも来場し、生歌を披露するなど、大盛りあがり。

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 映画ポスターにも映っているヒロイン・春花の真っ赤なコートを彷彿とさせる、赤いドレスで登壇した山田。初主演作品のお披露目を迎えて「いま、すごく緊張しています」と言いつつも落ち着いた口調で挨拶。 山田はもともと「バッドエンドな作品やグロテスクな漫画が好き」とのことで、原作を中学生の頃に読んでいたといい、「すごい話だな…と思ってましたが、いまになって自分が春花役を演じるということで、両親が焼き殺されて復讐を誓う前の優しい静かな春花から、サイボーグのように機械的に復讐していく春花のコントラストを見せられたらと思いました」と振り返った。

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 清水は、春花の唯一の味方である相場晄を演じたが「最初に原作を読んだとき、これは個人の誰かと誰かっていうラブじゃなく、全体的にラブストーリーだと感じました。グロテスクな描写や凄まじいバイオレンスがあるけど、常に根底にあるのは愛情だと忘れずに演じようと心がけました」とコメント。

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 大谷は、劇中では金髪姿で、春花をいじめるグループの女王・妙子を演じているが「演技自体初めてで、本当にこの私が原作ファンに愛されているこの作品で、重要な役を演じていいのか?と不安から始まりました。現場で内藤監督、奈ちゃん、みんなに支えてもらって一緒に作ってもらえたと思います」と言葉に力を込めた。

 内藤監督は、クランクインのわずか1か月前に監督を務めることが決定したそう。かなりハードなスケジュールだったが「その時、山田のオーディション映像をいただいて、どうしても撮りたいと無茶を承知で引き受けました」と明かした。「現場は大混乱で、ロケ地が間違って伝わっていたり、衣装が違ったり、小道具がなかったりして、CGの部分も、わかんないのでハリウッドのメイキングを見てみどりのテープを巻いておけばいいのかな?って感じで…(笑)」とそのドタバタぶりを明かしたが「日本映画は普段、企画段階が長い分、監督が『こうやりたい』と思っていても、逆に企画がねじ曲がって、面白さがぶれてしまうことがあるけど、今回は逆に雑音を聞く余裕もなかったので、素直に原作を読んで、こうすれば面白くなるだろうと思って撮れたと思います」と自信をうかがわせた。

 この監督の言葉に山田も「勢いみたいな部分で、アクションも楽しくできました」と述懐。かなり激しいバイオレンスシーンもあるが、監督は山田のバイオレンスシーンについて「殴り殺すアクションがすごくよくて、すごい勢いでボコボコにしていました。遠慮が一切なく、もし殺されるならあんな風がいいなって思えるくらい!」と大絶賛。山田は恥ずかしそうに笑みを浮かべつつ「ストレス発散のように…(笑)。鉄パイプを振り下ろされる側は、背中に(防護用の)硬いのを入れているから、まあいいかって」とあっさりと語り、会場は爆笑に包まれていた。

 また、撮影現場はものすごい雪で、ここでの苦労も多々あったよう。清水は「寒かった…」とポツリとつぶやき、東北出身の大谷さえも「あの雪は見たことがない。(雪が何メートルも積もって)足元に道路のカーブミラーがあるんですよ!」と驚いていた。

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 そして、会場が暗転。原作者の押切先生から直筆のイラストがサプライズ登場で登壇一同大興奮。撮影現場に先生が訪れた際は、サインを求めるキャスト陣の列ができていたそうだ。

 さらに、この日は主題歌「道程」を提供しているタテタカコも来場。タテタカコは映画について「想像以上にみなが壮絶で、言葉を失いました。思い当たる時分の中の感情がたくさんあって、余韻が何日も作るような素晴らしい作品でした。おっかなかったです!」と大絶賛。会場でピアノ弾き語りで「道程」を力強く歌い上げた。 山田は、現場で毎日「道程」を聴いていたそうで「撮影を終えるごとに歌詞がどんどん春花に重なって、救われました」と明かし、生で聴いたタテの歌声に「やっぱり重なる部分が多くて、撮影を思い出しました」と感激の面持ちで語っていた。

 最後に山田は「主演ってもっと先のことかと思っていて、いつかやらせていただけるなら、もっとキラキラしたお話かと思っていたんですけど、真逆の話で…(笑)」と笑いを誘いつつ「でも完成したものを見て、いまの私らしさなのかなと思い、大切な作品になりました」と本作への強い思いを語った。内藤監督も「キラキラしてない青春を送っている人、送ってきた人に刺さる映画」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。

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(c)押切蓮介/双葉社 (c)2017「ミスミソウ」製作委員会 

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