またしても超満員となった東京女子プロレスの横浜ラジアントホール大会(3月10日)、そのメインイベントとして、団体のシングル王座「TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス」をかけたタイトルマッチが行なわれた。

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(開始早々の場外戦で山下を痛めつける黒音)


チャンピオンは山下実優。今年1月4日に才木玲佳を下して王座返り咲きを果たし、今回が3度目の防衛戦だ。対する挑戦者は“ゾンビガール”黒音まほ。噛みつきを武器とする、いわゆる怪奇派なのだが、スライディング・ジャーマンなど独自の技のチョイスも評価が高い。

「横浜を手始めに世界中をゾンビ化する」と挑戦の意図を語っていた黒音。試合が行なわれた3月10日は、奇しくも『ゾンビ』が日本初公開された日でもあり、序盤から場外戦でゾンビペースの試合に。

まるでショッピングモールを占拠するかのような暴れっぷりを見せる黒音は、リングでも山下の首にイスを引っ掛けてのネックブリーカー、さらに脳天にイスをぶち込むなどのエグい攻撃で観客を戦慄させた。どうやら山下の頭蓋骨をかち割り、脳みそをすすろうとしたようだ。

山下はゾンビのホラー攻撃に苦しみながら、自らもイス上へのバックブリーカーを決めるなど反撃。強烈なミサイルキックも発射すると、バズソーキック、クラッシュ・ラビットヒート(走り込んでの顔面蹴り)とたたみかけて3カウントを奪った。もともと蹴りを得意とする山下だけに、ゾンビを倒すには頭を破壊するという鉄則通りの勝利だったとも言える。

試合後、黒音は「(世界をゾンビ化しようとしたのに)人間ばっかりだ」と取材にも噛み付いて感染拡大を目論む暴走。V3を達成した山下には、黒音のタッグパートナーでもある辰巳リカが挑戦の名乗りをあげた。辰巳は過去2度の王座挑戦で敗れているが、リングネーム由来のドラゴン殺法をはじめ実力面では東京女子でもトップクラス。さらに、この日の大会では伊藤麻希とハイテンションな雄叫び合戦を展開した上で勝っており、実は狂気性もかなりのものだ。

「人生、明日どうなるかだって分からない。いま挑戦しなかったら後悔する」と衝動的に名乗りをあげたという辰巳。王者である山下も辰巳の力、ストレートに感情をぶつける闘いぶりを認めており「私たちの試合はできるだけたくさんの人に見てほしい」と、5月3日の後楽園ホール大会でのタイトル戦を指定した。

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(試合後、山下は辰巳からの挑戦表明を受け入れ、5.3後楽園での対戦を提案)

5.3後楽園は、超満員となった1.4後楽園に続く上半期の大一番。エース・山下に辰巳が挑むタイトルマッチは、現時点での団体最高峰にふさわしいカードと言っていい。辰巳の充実ぶりからして、王座奪取への期待感も充分。5.3後楽園大会も、東京女子プロレスの魅力と勢いが凝縮されたものになりそうだ。

文・橋本宗洋

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