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 文部科学省の前川前事務次官が名古屋市の中学校で行った授業について、文科省が教育委員会に録音データの提出などを求めた問題で、自民党の赤池文科部会長は文科省への問い合わせを行ったことを認めた。

 赤池氏は今日、「それ(事実確認)をもって文部科学省が圧力とかそういうことを感じるというなら、今回の問題だけでなくすべてそういう話になってしまうということであって、そうすると我々国会議員は仕事ができなくなってしまう」と説明。また、法令違反者の前川氏を授業に立たせていいかを確認する意図があったとしている。さらに、池田文科部会長代理からは「文科省の問い合わせ文書を事前に見せられたが、感想を述べるにとどめた」という報告を受けたことも明らかにした。

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 文科省の異例の調査に前川氏は19日、「このような個別の学校の授業内容に対する国の直接的な介入は極めて異例であり、教育基本法が禁じている『不当な支配』に当たる可能性が高いと思います。文部科学省がこのようなことを自ら行うとは考えられないため、外部から何らかの強い政治的な働きかけがあったのだと思います。本来、教育に対する政治の不当な介入を阻む役割を負う文部科学省が、逆にそうした政治の介入に屈してしまったことは残念に思います」とコメントを発表している。

 『けやきヒルズ』(AbemaTV)に出演した歴史学者で東京大学教授の本郷和人氏は、このニュースに「(教育委員会に)聞くこと自体が圧力になるということがわからないのか」と憤りを露にする。また、安倍チルドレンである赤池氏と池田氏が忖度したのではという見方に「安倍総理に忖度して走り回っていたのかもしれないけど、安倍総理が官僚と政治家の関係性を考えている中で、せめて邪魔をしないというのが正しい忖度のあり方だと思う。国会議員の仕事が何なのか考えて欲しい」と苦言を呈した。

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 政治家の教育への介入に対しては「戦前じゃないんだからやめるべき。政治家の先生が『こういうことを教えろ』って言ったらまずい。教育の自由があるわけで、教室という自由な空間があってこそ教育ができる」と指摘した。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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