22日、ゲーム「二ノ国」シリーズの最新作「二ノ国II レヴァナントキングダム」の完成披露発表会が都内にて行われた。イベントには、主人公エバンを演じる志田未来、もう一人の主人公を演じるロウラン役の西島秀俊のほか、シャーティー役の門脇麦、シャリア役の木村文乃、セシリウス役の山崎育三郎が登壇。ゲームを手がけるレベルファイブの社長でCEOの日野晃博氏も登壇し、作品について語った。
レベルファイブといえば「妖怪ウォッチ」「イナズマイレブン」などの作品が低年齢層を中心にヒットし、ゲームのみならずTVアニメなど多種メディアで愛される作品を輩出している。
（レベルファイブの日野社長）
キャスティングについて、日野社長は「自分で設定したキャラクターでもあるので、間違ったキャスティングには絶対にしたくないと思っていました。今回、出来栄えや作品の中で演じてもらっている状態がとても良くて。大変満足しております」とコメント。
志田が演じるエバンは国を追われた幼き王。仲間と一緒に困難を乗り越え、偉大な王になっていく姿が描かれる。西島が演じるロウランは、エバンとともに建国に奮闘するもう一人の主人公だ。
エバンを演じる志田は「このゲームは本当に完成度が高くて。スケールの大きなゲームになっています。“ニノ国”ファンの方々にとっては、この作品を今か今かと待ち望んでいたと思うので、その中でも主人公のエバン役をやらせていただけるということは、本当に光栄だなと思いながら収録に挑みました」と感想を語った。
西島秀俊、現場で「ビシビシお願いします」
西島が「本当にたくさんのファンが待ち望んでいる作品ということで……プレイヤーのみなさんがまさにゲームに入って、一緒に過ごすわけじゃないですか。普通の作品よりももっともっと、きちんと人物を作り上げないといけない。とにかく現場では『ビシビシやってください』とお願いしていました。ビシビシやってもらいましたね」とコメントすると、日野社長は「ビシビシ……はい（笑）」と肯定。「西島さんからは丁寧に『キャラクターのことを教えてください』と言っていただいて。本当に完全に理解してもらったなって思っています」と西島を絶賛した。
門脇麦、志田未来を絶賛 初のキャラクター声優振り返り「自分が下手くそすぎて」
門脇麦が演じるヒロインのシャーティーは空賊の娘。門脇は現場を振り返って「私、声の仕事は今までナレーションなどはあったんですけれど、こういうキャラクターに声を吹き込むのって初めての経験で。最初に映像だけ完成したものを見せてもらったんです。で、そこに声を吹き込んでいくんですけれど、本当に映画のような世界観で、物語の厚みもしっかりあって。本当に物語の登場人物の声を吹き込んでいるんだなっていうその感覚と、本当に声だけでキャラクターを表現するのが難しくて。先に志田さんが声を吹き込んでいたので、志田さんの声を聞きながらやって。すごく上手っていうか……自分が下手くそすぎて（笑）。とても難しいんだなって。感情を声に乗せなきゃいけない作業がすごく難しくて苦労しました。いっぱいいっぱいでした」とコメント。志田を絶賛した。
ここで日野社長は「収録の順番もありますからね。先に（収録を）やっている人がいるとやりやすかったりするのですが、（声が）入ってないと難しかったんじゃないかなと。みなさん有名なので、本当は一緒にとりたいところなんですが、どうしてもばらけてしまうんです」と申し訳なさそうに告白。
次の木村文乃が演じるシャリアは、仲間を救うため奔走する天才エンジニアという役どころ。山崎育三郎が演じるセシリウスは冷徹な女王の側近だ。
木村は「私もこういうお仕事はすっごく憧れていて。なかなかチャンスがないまま、今に至って……。やっといただけたお仕事がこれだけ大きくて、素晴らしくて。憧れていたまさにど真ん中のお仕事で。お話をいただいたときに『やらせていただきます！』以外に言葉が出てこないほどでした（笑）」とシャリア役の話が来たときの興奮を告白。「ですが、私も門脇さんと同じで。山崎さんの声を聞いたときに、発声から声の出し方から全部違うんだなと……すごいなぁって」と、山崎の声を絶賛。不意打ちで褒められた山崎は「な、なんですか」とタジタジ。
続けて木村は「さっきちょっと日野社長とお話する機会があって聞いたのですが、やっぱり（ゲームを）作るにあたり、これまで以上のただならぬ思いや、大変な時間があって、でき上がったものだと聞いて。より一層、その一端を担えてよかったなって。本当に感謝しかないですね」と、感謝の言葉を述べた。
話を振られた山崎は「僕もこういうゲームの中で声優するというお仕事は初めてでした。いろいろな戸惑いがあって、僕もビシビシ指導いただきながら、やらせていただきました。もう世界中で注目されている作品ということでプレッシャーもあったんですけれど、楽しくやらせていただきました」と振り返り、充実した現場だったことを告白。
木村から絶賛の言葉もあった発声について、山崎は「僕はミュージカルがホームグラウンドなのですが、今回ゲームということで収録が終わった後に戦闘シーン用の『ハッ！』『アッ！』などの声をとったんですよ。そしたら次の日、声がカッサカサで（笑）」と苦笑い。
役柄との共通点や違いを聞かれると、恐ろしく頭が切れる冷徹な女王の側近を演じる山崎は「恐ろしく頭は切れないけど、冷静です」とコメント。続けて「ミュージカルや舞台で似た衣装を着ることが多いので、ああいうのを羽織って、どうやってしゃべるか……という感覚は自分の中にあります。そこはつかめたところかなと。あと、僕が演じるセシリウスは眼鏡をかけてるんですね。僕、ヤクルトスワローズの古田選手（元プロ野球選手）のファンなので、素敵だなと。共通点ではないですが、眼鏡をかけている人には憧れます」と演じる上でのこだわりや、眼鏡への愛を語った。
しかし、日野社長から「物語の中で女王様にハイヒールで踏まれるシーンがありますよね？ どうですか」と聞かれると、山崎は「そういうのは嫌ですね！」と明るく否定した。
天才エンジニア役を演じる木村は「私が演じたシャリアは、登場から『なんでも任せて』っていう姉御肌のタイプのキャラクター。でも、私は『なるべく頼らないでくれ』って言ってしまうタイプですね（笑）。そこが違うかなと。シャリアは自分が信じると決めた人は、どこまでいっても信じるんですね。そのために、甘いことだけじゃない、きついこともちゃんという。人を思うってどういうことかっていうのがしっかり根にある人だなって。人として憧れるなぁと思いながら、演じさせていただきました。見習うべき先輩だなと」と、自身が演じたキャラクターの尊敬できる点について熱く語った。
天真爛漫で明るく活発な空賊の娘を演じる門脇は「私、おとなしめの役が多かったりするんですけれど、けっこう子供の頃は天真爛漫で。今もそういうところは持っている部分もあると思うんです（笑）。子供の頃の発声の仕方を思い出しながらやりました。元気なはつらつとした役をやることがあまりなかったので、すごくうれしかったです」と振り返った。
西島秀俊「若い人たちが自由にのびのび活動できる場を作りたい」 サプライズでバースデー祝福も
一ノ国では48歳の大統領、ニノ国では20歳の若者として行動するロウランを演じる西島は「一ノ国のロウランは48歳と、僕の年齢に近いんですが、向こうは大統領なんで全然違いますよね」とコメント。年齢こそ近いものの、全く違う立場であることに言及した。
続けて「ニノ国では20歳になっていて。もっと若い立場で手助けするような立ち位置ですよね。僕もある程度の年齢になって、やっぱり若い役者さんだったり、役者さん以外でもなんらかの形で若い人たちが自由にのびのび活動できる場を作りたいと考えているので、そういう意味では理想というか。演じていて参考になりました」と語った。
西島のコメントに日野社長は「ロウランは今回のお話の最大のポイントで。48歳と20歳の2つ人格があって。変わった設定もあったんですが、そこも西島さんがすごく面白く演じられていて。難しいところもけっこうあったんですけれど、いろいろと工夫していただいて。いくつか要望を言わせていただきましたが、とてもよかったです」と振り返り、西島を絶賛した。
志田は「エバンは幼いながらも、国を思う愛にあふれた子だと思います。どんどん周りの人がエバンについてきてくれるんですよね。エバンの熱い思いが届いて、仲間になってくれる。私はどちらかというと、ついて行きたいタイプ（笑）。誰かについて行きたい。自ら引っ張るタイプではないので、見習いたいなと思います」と思い入れを告白。
志田の透明感ある声に日野社長も「素晴らしいです」とコメントし、「エバンは最初は引っ張るようなキャラクターではないのですが、少しずつ仲間ができて、仲間に押されながら成長していくっていう姿がすごく出ていて。志田さんのキャラクターから少しずつ強くなっていく姿が出てる」と解説した。
さらに会場にはラティエ役の吉谷彩子とガットー役の吉田鋼太郎からビデオメッセージも到着。また、来週29日に47歳の誕生日を迎える西島が、サプライズで誕生日を祝われる場面も。一足先に、ゲーム内のキャラクターがあしらわれた特注ケーキで祝福された西島は「この年齢になると、自分の誕生日とかどうでもいいので、うれしいです」とコメント。これにはケーキを見た志田も「ずっと映像でしか観てないので、キャラクターが飛び出してきたみたいで可愛い」と思わず感激。
『二ノ国』シリーズは、スタジオジブリが制作協力しており、音楽は久石譲が担当。今回の「二ノ国II レヴァナントキングダム」も久石が音楽を担当し、前作同様キャラクターデザインにスタジオジブリ出身のアニメーター・百瀬義行を迎えている。日野社長によると、今回も「妖怪ウォッチ」「イナズマイレブン」などで培った制作ノウハウがぎっしり詰まっているという。「二ノ国II レヴァナントキングダム」は3月23日、世界同時発売。
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