2018年、史上最年少26歳にして一般社団法人日本ゴルフツアー機構の副会長兼・選手会長となった石川遼選手。「日本ゴルフ界発展のために、全力を尽くして参りたい」と抱負を語った彼自身、若手選手の育成を課題に掲げ、毎年12試合開催される下部ツアー「チャレンジトーナメント」を1試合主催している。2018年シリーズはAbemaTVをスポンサーに迎え、「AbemaTVツアー」として3月30日より初戦が開催される。シーズンインを直前に控え、選手会長・石川遼さんに2018年のチャレンジトーナメントの変化と展望。そして、ゴルフ界の未来について話を伺った。

―― 3月30日から始まるチャレンジトーナメントに「優勝を狙える」最強アマチュア軍団「AbemaTVチャレンジャーズ」が参戦する予定です。

 素晴らしいことだと思います。自分自身もアマチュア時代に推薦を頂き、15歳で男子のレギュラーツアー(マンシングウェアオープン・2007年)に参加することができました。当時は優勝という結果は全く想像できませんでしたが、最近では力のある若手も出てきています。昨年の日本アマチュアゴルフ選手権を制した日本大学の大澤和也君とは、プレーを共にしたこともありますが、試合が大きくなればなるほど、燃えるタイプ。試合前は控えめでも、試合になれば別人のようでプロ向きだと思います。通年で考えればプロの方が力は上だと思いますが、1試合3日間で考えれば、調子をピタッと合わせてプロを負かすことも可能。本気で優勝を目指して欲しいですね。

―― 今年から始まる「AbemaTVツアー」では、「2日間だったラウンドが3日間になる」という変更点が挙げられます。選手にはどのような影響がありますか。

 プラスしかないと感じています。私自身1試合のチャレンジトーナメントを主催しており、初年度は3日間で行いました。従来の2日間ではなく3日間の方が継続して力を発揮する必要があり、「本当の実力」が問われますし、チャンスも増えます。今までチャレンジトーナメントで勝ってレギュラーツアーに参戦した若手でも、「2日目までは良かったけど……」というように、「4日間戦い抜く気力、体力」に物足りなさがあったことも事実。その点、1日でも多く試合を経験できるメリットは大きく、できれば「レギュラーツアーと同じ4日間で開催したい」という思いもあるほどです。

―― チャレンジの機会を増やすという思いで、主催を決意されたのか。

 以前と比較すれば、下部ツアーであっても、プロアマ問わず、より多くのチャレンジできる機会があります。個人的な思いとしては、若手の育成はもちろんですが、レギュラー、下部ツアー問わず、ゴルフ界全体の「競争」が激しくなることが理想だと考えています。来年のレギュラーツアーのシード権は賞金獲得額が65位以上の選手に付与されます。実際には200名以上の選手がその枠を争っているので、競争の機会が増えることで選手は必然的に危機感を覚えます。しかしその危機感こそが、プロとして求められるエンターテインメント性やコンテンツ力の向上に繋がるはずです。

――「競争」という点において、今までは下部からの繰り上げが上位7名でしたが、来年からは上位20名がレギュラーツアーに参戦可能となります。

 前述のようにチャレンジトーナメントを3日間戦い抜き、ハングリー精神と実力を備えた若手が、“鼻息荒く”乗り込んでくるわけですから、レギュラーツアーのシード権を持つ選手も「安泰ではなくなる」でしょう。そしてその構図が鮮明になればなるほど、見る側、応援する側も面白くなるのでは、と感じています。

―― いま注目している若手選手は。

 中里光之介選手です。ここ2年はチャレンジトーナメントでも安定した成績を残しています。ただ、見られることに神経質になったり、他の選手に気持ちで圧倒されたりして、十分な実力を発揮できないことが課題と感じています。今年から3日間の勝負になりますし、インターネット中継を通じて「見られる」意識にも慣れてくれば、楽しみな選手の一人と言えそうです。

(C)AbemaTV


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横峯さくら緊急参戦/AbemaTVツアー初戦「Novil Cup」予選1ラウンド | AbemaTV(アベマTV)
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