先月30日の開幕からここまで5試合で1勝4敗と苦しい戦いが続いている横浜DeNA。その要因の一つに挙げられるのが、昨シーズンの勝ち頭である「今永、浜口、ウィーランド」の不在だ。昨シーズン3人合計で31勝を挙げた投手たちは今、1軍復帰に向けて2軍で調整を行っている。
3日午後、復帰が待たれる3本柱の1人、昨シーズン10勝(6敗)の左腕・浜口遥大投手の状況について、横須賀市長浦にある横浜DeNAベイスターズ総合練習場を訪れ、本人と関係者に話を聞いた。
浜口は昨シーズン、監督推薦で出場を決めていたオールスターを「左肩の違和感(機能不全)」で辞退した経緯がある。その際に経験した痛みとの違いについて「思ったよりも症状が強く、(痛みや違和感)抜けるまでに時間を要してしまった」と説明するも、復調に向けた手応えも感じている。「ブルペンレベルですが、一通りの球種を“しっかり腕を振って”投げられるようになっています」と語った明るい声が、何よりの証だろう。
その一方、気になる復帰までの道筋については、「自分としては『4月中には戻りたい』という思いはあるのですが、まず実戦復帰がいつ頃になるのか、そこからどのような段階を経て状態を上げていくのかなど、トレーナーやコーチと相談しながらになると思います」と話すに止めた。
浜口の復帰について2軍投手コーチを務める川村丈夫氏は「今永とウィーランドが同じくらいの復帰タイミングという認識ではいるが、浜口は少し遅れている」と、現状を説明した。続けて川村氏は「上の苦しい状況も理解できるが、肩となると慎重にならざるを得ない。上に行ったからには、残りのシーズンをずっとそこで頑張ってもらいたいので、まずは今週中にバッティングピッチャーを務めてもらい、その様子を見て、来週あたり実戦形式で1イニング。そこから段階的に仕上げていければと考えています。今永らと比べれば、2週間ぐらいずれ込む見通し。5月初めの連戦に間に合えば」と、慎重な姿勢を崩さなかった。
開幕に間に合わなかったことについて浜口は、「チームに迷惑を掛けているし、自分自身、悔しくて情けない。京山や飯塚、東などの若手が居て、彼らが結果を残せば自分がローテーションに戻れる保証は無くなるわけですから。まずは『浜口を呼ぼう』と思ってもらえるような状態を作ること。監督がいつも終わり方が大事といった話をされますが、復帰してからはローテーションをしっかり守って、シーズンの最後に良い形で終われるように頑張らなければいけないと思っています」と、心境を語った。
実は浜口、今シーズンに向けてグローブをラッキーカラーの「グリーン」に新調している。「普段のファッションや小物選びでも、迷ったらグリーンを選んでいます。特に『濃いグリーン』が好きで、僕にとってのラッキーカラーみたいなものです。今年のキャンプには間に合わず、キャンプ後に届いたのですが、1軍復帰の際には、このグリーンのグラブと共にマウンドに上がろうと思っています」。
新緑が眩しい5月のハマスタに、グリーンに輝く真新しいグローブを持った浜口が戻ってくれば、横浜DeNA巻き返しの起爆剤になるかもしれない。
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