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 「(イラク日報は)確認いたしましたが見つけることはできませんでした」

 昨年2月の衆議院予算委員会における稲田朋美防衛大臣(当時)の答弁が今、波紋を広げている。防衛省で“ない”とされていた、陸上自衛隊がイラクのサマワに派遣された時に記録していた日報が今年1月に見つかったというのだ。

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 また、小野寺五典防衛大臣は4日、「昨年3月27日に(陸自)研究本部において、前回確認していなかった外付けハードディスクからイラクの活動の日報が発見されていたことが分かった。(防衛省が)その存在を確認していたにもかかわらず、少なくとも当時の稲田大臣をはじめ、政務三役、内部部局、統合幕僚監部には報告がなされていなかったとの説明があった」と発表。6日には、航空幕僚監部にも日報が保存されていたことが明らかになった。

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 防衛省が「ない」としていた日報は、今年1月に見つかったのではなく、去年の3月にその存在が確認されていた。稲田氏は4日、「(去年の)3月にイラクの日報が見つかったということを聞いたので、大変驚いていると同時に怒りを禁じえない」と憤りを露にした。

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 最近の官僚による不祥事はこれだけではない。去年、文部科学省の前川喜平前事務次官が天下りをあっせんして問題が発覚。また、厚生労働省の裁量労働に関するデータが不適切だったとして、安倍総理が発言を撤回。さらに、森友学園の決裁文書改ざん問題で、佐川宣寿前国税庁長官が辞任した。なぜこのようなことが立て続けに起こるのか。

 AbemaTV『AbemaPrime』では、2人の元官僚に話を聞いた。

 元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏は「防衛省の話は、イラクなり南スーダンという現場の話。防衛省の現場の人からしたら『こんなの大臣が知らなくていい』と思っているだろう。大臣はころころ変わって1年もいない。そういう人に上げても仕方がないと思っているかもしれない」と指摘。さらに、「財務省の文書改ざんも、本省ではなくて大阪の近畿財務局の末端の話。政治家は知らないから、(官僚は)逆に改ざんしても大丈夫かなと思ってしまうかもしれない」との見方を示す。

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 元経産官僚で政策アナリストの石川和男氏は「防衛省の問題は森友問題とは質が違う」と高橋氏に賛同しつつ、「現場の日報を日本にいる政治家に出すという発想がないと思う。隠しているとか、悪意というものはない。末端の職員からすると国会議員はもの凄く遠い存在で、テレビで見る人という感覚。森友問題より(官僚と政治家の)距離はもっと遠い」とコメント。相次ぐ官僚の不祥事については「最近多いのではなくて、前からあったものが見つかっているという話。野党や自民党の反主流派の人は『安倍政権だから緩んでいるのではないか』と言うが、誰が総理だろうとあまり関係がない。あったものがたまたま今見つかって、それが連鎖しているだけ。昔からこういったことはある。何十万人という職員がいる中で、事故と同じで確率論」とした。

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 一方、元講談社の編集者でコルク社長の佐渡島庸平氏はメディアの報道に言及。「基本的に人間はミスをするものだと思うので、叩き出したらキリがないと思っている。ちょっとしたミスをマスコミがずっと取り上げている限り、政治不信がずっと続くだけ。政治や官僚の方が変なのではなく、このニュースを取り上げないという意思決定ができない報道側が世間に流されている。官僚も組織のルールに流されている。ニュースを発信する側が、それはニュースに値しないという意思決定ができていないことの方が問題だと思う」と意見を述べた。

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 では、こうした不祥事は今後減っていくのだろうか。

 石川氏は「官僚組織は定期的に人事異動が行われるので、人がガラッと変わると何年かすると元に戻ってしまう気がする。マスコミが多少騒ぐのは緊張にはなり、それがないとふんぞり返ってしまう。今しばらくはないと思うが、これであったらバカだと思う」と釘を刺した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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