7日、東京・新宿バルト9にて押切蓮介の漫画を原作とした映画『ミスミソウ』の舞台挨拶が行われ、主演の山田杏奈をはじめ、清水尋也、大谷凛香、大塚れな、中田青渚、紺野彩夏、櫻愛里紗、遠藤健慎、大友一生、遠藤真人、内藤瑛亮監督が登壇した。

激しいアクションや、凄惨ないじめのシーンもみどころだが、大谷は演じた妙子と自らを比較しつつ「妙ちゃんは、東京に憧れを持ってる女の子ということが背景にあって、私自身、この撮影中は地元の宮城から通っていたので、同じ意味で東京に憧れを持っていました。けど……あんな、髪を切っちゃうとかはしたことないです! 美容師に憧れててもあれは……」と、作中のいじめの内容にかなり衝撃を感じていたよう。相手役の大塚は「撮影と思えないほど、(髪を)引っ張られました!」と振り返った。

キャスト陣は、本作を経て今後の目標やこれから挑戦したいことを一人ずつ発表。山田は「『ミスミソウ』という、万人受けする作品じゃなく、賛否がわかれる作品でしたけど、初主演でそういう作品をやらせていただいて、これから日常の中にあるようなこと題材にした作品も、こういうふうに目をそむけたくなる現実が描かれてる作品も、いろんなことに挑戦したいと思いました。この作品に出たことで、これから女優として生きていく覚悟もできました。またみなさんとご一緒できるように頑張っていきたいです」と決意表明。

清水は「最近、高校を卒業したので、もう学生という言い訳はできない。芝居ってうまいだけじゃ生き残れないと思うので、うまい芝居よりも深い芝居ができるように努力していきたいです」と語った。
本作で芝居自体、初めて挑戦した大谷は「これから進んでいくしかない!今回、妙子ちゃんは、やってることはすごく暴力的、非現実的だけど、人間味に溢れていて、心情をくみ取るのが大変でした。その経験を最初にさせてもらえたのは、ありがたいと思っています。新しい私に出会えるように頑張っていきたいです」と力強くコメントした。
大塚は「こんなに狂った役柄は初めてでした。この経験を活かして、どんな役も演じられるように、カメレオンみたいな何にでも変われる女優さんになりたいです」と語り、中田は「みんなの芝居を見て、お芝居への貪欲さを感じました。高校を卒業して覚悟を持ってしっかりやっていかないといけないと感じています。またみなさんとご一緒した時、進化したと思われるように頑張りたいです」とこの先を見据えた。
本作で以前からずっとやりたいと思っていた、いじめっ子役を演じることが叶ったという紺野は「いま一番やりたいのは悪女。突き詰めた悪女をやりたい」と宣言。櫻は「この1年の目標で、映画への出演を決めると頑張ってきました。目標を口に出すとできると思ってるので、今回は周りに流されてしまう役でしたが、自分の意思をしっかりと持って頑張りたいです」と言葉に力を込めた。
遠藤(健)は昨年、別作品で、いじめられっ子の役を演じており、本作のいじめっ子役とあわせて「満足いく演技ができて、やり切った気持ちです」と晴れ晴れとした表情を見せ「これからもいろんな役に挑戦したい。『こいつならできる』と思ってもらえる役者になりたい」と語り、大友は「世界に通用する役者になりたい!」、遠藤(真)は「唯一無二の役者になりたい」と熱く夢を語り、会場は俳優陣への温かい拍手に包まれた。

ちなみに、現場ではクランクアップ時に、内藤監督がひとりひとりに「卒業証書」を授与したとのこと。さらにこの日は、サプライズで内藤監督が主演の山田への手紙を朗読。本作の制作が頓挫しかけ、以前から決まっていた監督が降板して、クランクインの1か月前に監督に決まったという内藤監督は、それでも引き受けた理由について「オーディション映像で山田さんを見たことが決め手でした。あなたを撮ってみたいと単純に思った」と告白。「スタッフからは『なんで引き受けたのか?」と怒られたけど、あなたを撮りたいという思いが勝りました。むしろ、幸福な監督だと思いました」と語り、山田に対し「初主演映画を監督出来たことを、誇りにおもいます。ありがとう」と語りかけた。
このサプライズに、山田はやや瞳を潤ませつつ「オーディションに2回行って、決まっていた監督が降板されて、その時点で次の監督が決まってなくて、もうダメかと思いました。主演の責任を果たせたかと言われても、わからないですが、たくさんの経験をさせてもらって本当に幸せでした」と時折、声を詰まらせつつ語っていた。

(c)押切蓮介/双葉社 (c)2017「ミスミソウ」製作委員会
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