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(新団体旗揚げを目指す原。「筋肉で町を活性化」もスローガンとして掲げた)

4月13日、北沢タウンホールにて、フリーのプロレスラーである原学が自主興行を開催した。

この日は平日、しかも試合開始は14:00。入場無料にして試合は原学vs佐藤光留の時間無制限一本勝負のみという、異例の興行だ。

試合後にはファン公開形式の記者会見もあると告知されていたこの興行。原曰く「10人くらいかなと思ってましたけど、ざっと見たところ30人くらいは来てくれましたね」。

それでも普通の興行に比べれば多いとは言えないのだが、ここで原と佐藤は25分にも及ぶタフな試合をやってのけた。キックと関節技を主体にしたシンプルで激しい闘いだ。

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(自主興行は佐藤とのワンマッチ。25分の激闘となった)

蹴り、張り手の打ち合い、さらに両者が繰り出す頭突きの音が会場に響く。そうかと思えば足4の字固めやブレーンバスターをめぐる攻防も。見ているほうも力が入りっぱなしの25分40秒は、佐藤がヒールホールドを極めて勝利した。

試合後、全日本プロレスのシリーズ中にもかかわらず試合を受け、地方からこの試合のためにいったん東京に戻ってきた佐藤に感謝の言葉を述べた原。かつてパンクラスに憧れていたこと、パンクラスで活躍する佐藤にはライバル心と嫉妬心があったことも明かした。だからこそ、この自主興行で闘いたかったのだ。

試合後の会見で、原は「デビューして今年で16年、淡々とやってきましたけど、やはりプロレス界に何かを残したい。自分が理想とする興行をやりたい」と語り、目標として「1年以内の団体旗揚げ」を掲げた。無料自主興行は、その仲間を集めるためのアピールだという。

興行名は「ソウルモード・プロレスリング」。参加選手に加え新人も募集したいと原は言う。また次回の無料自主興行を5月25日に新木場1st RINGで開催することも発表した。対戦相手はインディーマット屈指の人気選手、宮本裕向だ。

原が理想とするのは、端的にいえばこの日、佐藤との試合で見せたようなものだ。空中殺法など派手な大技が連発されるわけではないが、闘いとしての迫力、説得力を持つプロレス。それは原がデビューした団体「格闘探偵団バトラーツ」のスタイルにも近い。「バトラーツ復活というわけではないですが、僕の基盤はバトラーツなので」と原。佐藤光留はロストポイント制を採用した“UWF系”スタイルの大会「ハードヒット」を主催しているが、それともまた違うものだと言える。「現状、こういうのはどこにもない」と言う原は“希少種”のスタイルを残し、盛り上げていくことにも意味があると考えているようだ。

原のプランに「無謀っていうか無策でしょう。脳みそ半分ないのかっていう。でも俺はそういうの大好きだから」と佐藤。自身も大会をプロデュースしているだけに、原の心意気に共鳴しているようだ。

ともあれ始まったばかりの「ソウルモード」は運営そのものが実験とも言える。ただ次戦も無料ながら原vs宮本という好カードが組まれており、賛同する選手やファンは今後、増えていくのではないか。

文・橋本宗洋

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