元3階級王者VS現3階級王者の“夢のスパーリング”が実現した。ボクシングで日本人初の3階級王者を果たした亀田興毅(31)が、K-1で史上初の3階級制覇を果たした武尊(26)が、協栄ボクシングジムでスパーリングを行った。5月5日に1試合限りの復帰戦を控えた亀田の練習相手を務めたK-1王者の武尊は、憧れのボクサーと拳を交え「興毅さんと向かい合ったら怖かった」と、世界を取った威圧感を口にした。

相手を飲み込む強気なファイトでK-1初の3階級制覇を成し遂げた男が、思わずバックステップを使った。練習を見学に来た武尊に対し、亀田が「実戦やろうか。わざわざここまで来てもらったから」と声掛けしたことで実現した夢のスパー。3分3ラウンドで行われると、ラウンドを追うごとに距離が詰まり、熱が増した。残りの十数秒間は、超至近距離でお互いラッシュ。9分間拳を交えると、ゴングの後には思わずハグをした。スパーの模様はAbemaTVのドキュメンタリー番組「ラスト亀田興毅~最後の現役復帰~」で4月21日に放送された。
リングで生きる2人だからこそ、9分話すより9分戦う方が、はるかにお互いが理解できる。武尊は「やばいですね。体重差を全く感じない圧力とパワーがありました。試合中でも向かい合って怖いと思うことはないんですけど、(今日は)怖かったですね」と驚くと、「試合中で下がることなんてないですが、今日は自然とバックステップを使っていました」と続けた。亀田も「(武尊は)自分の体勢じゃないのに、しっかり体重を残してパンチが打てる。これができるなら当分は負けないんじゃないかな」と、現役王者を称えた。
2人のスパーを見た同じくK-1王者の武居由樹は「興毅さんがこんなに完成されているとは思わなかった。気持ちも技術も完璧なんじゃないかなと思います」と絶賛。協栄ボクシングジム・金平桂一郎会長は「これから2週間が体重やいろんな意味で追い込んでいかないといけないので安心はできない」としながらも「動き的には悪くなかった。どんどん追い込んでボクサーとしてのマインドとかを取り戻してほしい」と、約2週間後に控えたポンサクレック・ウォンジョンカム(40)との試合に期待した。
スパーを終えた直後、「若い人と一緒に練習すると、パワーが沸いてくるね」と笑顔を見せた亀田。若い格闘家たちの憧れだった男に、いよいよ現役時代の鋭さがよみがえってきた。
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