昨日4月22日に東京・日本武道館にて、乃木坂46の生駒里奈の卒業公演「乃木坂46 生駒里奈 卒業コンサート」が開催された。
今年1月にグループを卒業することを発表し、ファンを驚かせた生駒。乃木坂46の一員としてライブを行う彼女の姿を見届けるべく、会場には全国各地からファンが集結した。キャパ1万2000人に対し、チケット応募数はおよそ30万。さらに全国128館で実施されたキャパ合計6万人のライブビューイングもおよそ50分のスピードで完売となった。
オープニングVTRが終わると、ステージ中央の扉から生駒が1人で登場。ステージの両サイドからほかのメンバーが舞台に現れると、「乃木坂の詩」からライブをスタートさせる。続いて彼女たちは、「さぁ皆さん、ついに始まりました卒業ライブ! 楽しんでいくぞ!」という生駒の大きな掛け声をきっかけに「おいでシャンプー」「太陽ノック」を連投しオーディエンスの熱を一気に高めていく。それから生駒1人がステージに残り、センチメンタルなソロナンバー「水玉模様」を披露。歌唱後に彼女は「裏で練習してたんですけど、やっぱり上手くならなくて(笑)。味、味って言ってくれるのってここにいる人だけだから。外に出たら、そんなの味って言ってくれないからさ。だからそういうのも含めて、今とっても披露してて楽しかったです。ありがとうございます」と愛嬌たっぷりに話した。
それから生駒の「皆さんの元気な声を聞きたい」という提案から、コール&レスポンスの時間に。武道館客席の各ブロックおよびライブビューイングの会場を煽り会場が大盛り上がりを見せると、生駒は「ありがとうございます! 最後まで楽しんでいってくださいね」と笑顔を見せた。
ここからは、4月25日にリリースされる乃木坂46の20枚目シングル「シンクロニシティ」の収録曲が披露された。はじめに3期生メンバーが登場し、アッパーチューン「トキトキメキメキ」をキュートに届けると、次に2期生メンバーが「スカウトマン」をクールかつダンサブルにパフォーマンスした。それからグループの歴史を1ページ目から紡いできた1期生メンバーのみで「Against」を投下。生駒をセンターに据え、力強いパフォーマンスで観客を圧倒すると、選抜メンバーで表題曲「シンクロニシティ」を力強く歌い踊った。
それから1期生メンバーがマイクを取り、それぞれ生駒との思い出を語るMCコーナーに突入。ここでは若月佑美、松村沙友理、衛藤美彩、高山一実の4名がエピソードトークを展開した。高山は生駒と西野七瀬の3人で大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに訪れた思い出や昨年末の日本レコード大賞でのエピソードを振り返り、結びの言葉として「生駒ちゃん本当になんて言っていいのかわからないですけど、長生きして欲しいな…。あー違う、違う! これからも元気でいて欲しいな」と天然発言を炸裂させると、会場は大きな笑い声に包まれていた。
続いては乃木坂46からの“交換留学生”としてAKB48に在籍していた頃の生駒にフォーカスをあてたブロックに突入。この日のライブでは所々で生駒と関わったスタッフからのメッセージがモニターに映し出されていたが、曲が始まる前に映し出されたのは生駒が尊敬してやまない渡辺麻友からのメッセージだった。それから生駒と3期生メンバーで「初日」を、同じ秋田出身の鈴木絢音とのユニットで「てもでもの涙」を披露した。パフォーマンスを終え生駒は「2曲共、私にとって意味のある曲で、『初日』は兼任して初めて、チームBでお披露目の時に歌わせて頂きました。『てもでもの涙』はまゆゆさんと一緒に劇場公演で歌わせてもらいました」と2曲について説明した。それから彼女は「このブロック最後の曲は皆さんに頂いた曲です。この(2014年のAKB48選抜総選挙)14位という数字がなければ、私はこの曲を歌うことができませんでした。あの時に『兼任して良かった!』と心の底から思いました。皆さんの力の強さを実感しました。聞いてください!」と元気よく挨拶して、「心のプラカード」を2期生メンバーと共にパフォーマンス。曲中、2期生メンバーそれぞれが生駒に向けたメッセージカードを掲げるサプライズ動画がモニターに映し出されると、生駒は「後で映像もらいますわ。ありがとー! うれしいな」と満面の笑みを浮かべていた。
するとここで堀未央奈が「今日は生駒さんにどうしてもメッセージを言いたいという2期生のメンバーが来ました! どうぞー!」と昨年11月から活動を休止している北野日奈子をステージに呼び込む。大歓声に迎えられた北野は「私も生駒さんの卒業を一緒に送りたかったので、ここからですが参加させてください」とオーディエンスに向け挨拶すると、客席からは地鳴りのような歓声が沸き起こり、生駒も「やったー! 本当にうれしい! きいちゃんの方から言ってくれてうれしかったよ」と弾ける笑顔を見せた。
ライブの中盤には生田絵梨花、生駒、星野みなみの3人による”生生星”でMCコーナーを展開する場面も。生田は「猫背もすごくピーンとなおったっていうのもそうだし、滑舌も良くなったし、原始人から人間になったくらいに成長した」と発言し、「生ちゃんとまっちゅん(松村沙友理)なんだよね、そういう事言ってくるの。でもまっちゅんより、生ちゃんのほうがねそのままくるの。だって原始人って言われたんだよ(笑)」と生駒を怒らせて、星野は「みんな20歳を越えて、お酒を飲めるようになったので行きたいな」とゆったりとトークを展開していた。
そしてここからユニットコーナーに突入。”生生星”による「ここじゃないどこか」「満月が消えた」、秋元真夏、生田、生駒、齋藤飛鳥、星野、堀による「あらかじめ語られるロマンス」、生駒、井上小百合、斉藤優里、桜井玲香、西野、星野、堀、若月による「無口なライオン」が披露された。
デビュー当時から乃木坂46の公式お兄ちゃんのバナナマンから生駒に向けた、温かなメッセージがモニターに映し出されると、ライブはいよいよ後半戦に突入。「指望遠鏡」の後披露された、「月の大きさ」ではアニメ「NARUTO -ナルト-」の主人公・うずまきナルトからのメッセージと生駒の似顔絵が描かれた同アニメ作者・岸本斉史から贈られた色紙がモニターに映し出されるサプライズも。この演出に生駒は涙を浮かべながら「ここで泣くつもりなかったのに。でも『NARUTO』は泣いちゃうよ。生きてて良かった…!」と感激しきりの様子。会場が大きく沸く中、彼女は「オタクに戻った生駒ですけど、ちゃんと乃木坂の生駒ちゃんに戻りたいので、そろそろ次の曲をかけて乃木坂に戻りたい」と発してから「ハウス!」をエネルギッシュに披露した。
それから生田のピアノ伴奏のみで彼女たちは「君の名は希望」「悲しみの忘れ方」を連続でパフォーマンス。「悲しみの忘れ方」では生駒の両親からのメッセージも映され、これにも生駒は涙を流しながら「ずるいよ。『NARUTO』とお父さんたちはダメだよ。泣いちゃうもん。昨日家にお父さん来てたんだけど、お父さんいても何も話さなくて、お父さんごめんなさいと思った」と小さく笑った。
そして本編最後の曲を前にメンバーはマイクを取り、それぞれの思いを語っていく。白石は「卒業しちゃうのはすごい寂しいけど、これからの生駒ちゃんの未来を1番応援したいし、乃木坂ももっともっと大きくなれるように頑張るから生駒ちゃんはそのままの姿でこれからも頑張ってください。本当にお疲れ様」と伝える。
西野は「生駒ちゃんの背中を見て、もっと自分もこうしなきゃとか、もっと乃木坂全体の事を考えなきゃとか、色々思わせてくれたから、生駒ちゃんがいなかったら私自身もここまで成長できなかったって思うところもあります。いてくれてすごくありがたいなと思いました。あとね、楽しい時間ももちろんたくさん共有できたけど、『君の名は希望』の時に2人でちょっと落ち込んだ時があったのを今でも覚えていて。2人でずっと愚痴をばーって言ったりして、スタッフさんが一発芸とかして慰めてくれたり。そういうマイナスな事までも一緒に共有できたことがうれしいな思いました」と話した。
堀は「私が『バレッタ』の選抜に選ばれた時に1番に声を掛けてくださったのが生駒さんで、真っ直ぐでぶれない性格が本当に好きで、何回もこのお礼を伝えているんですけど、言葉ってやっぱり口にしないと伝わらないから…。その時、支えられたなと思って。私はその時の生駒さんの姿を見て、そんな先輩になりたいなと思った」と時折、涙で声を詰まらせながら語った。
齋藤は「生駒ちゃんが卒業した後もこんなに誇らしいメンバーがいるんだから、ちゃんと生駒ちゃんが前に言ってくれた『紅白出てるところが見たいよ』とか、そういう夢を叶えていけたらいいなとすごく思ってます」と声を掛けた。
最後に生田は「何もわかんない時から近くにいて、最初は生駒ちゃんがどう思っていたのか本当の事はわかんないけど、お互いの事を壁に感じていたりしてたとか強がったりとかそういう時期があったんじゃないかと思ってて。ただ、7年間もずっと一緒にいれば、お互い成長して、相手の良い所も本当にいっぱい見つける事ができたし、生駒ちゃんを見てると自分の足りない所を見つけてもっと頑張らなきゃって思う事もあるし、逆に生駒ちゃんから『生ちゃんの姿見てこうだったよ!』とか連絡をもらったり声を掛けてもらった時は、なんて良い仲間を持ったんだろうと心から感じました」と述べてから、最後に「苦しくなる事とかどこかに帰りたくなる事があったら、何でも話して欲しいし、この7年間本当に濃いものだったけど、まだまだ関係を深めていけたらいいなと思ってます。本当にいろんなものを背負ってきたと思うので、しばらく休みつつもいっぱい自由に楽しんで、また生駒ちゃんの誰もが尊敬するパフォーマンス力だったり表現を爆発させていってほしいなと思います」と力強く語りかけた。
メンバーからの言葉を受け、生駒は「一言で言ってしまうとこの人たちじゃないと今私はここにいないって事ですね。集団行動が苦手な人間がこんな集団行動のアイドルグループで7年もやってきた事がすごくて、その1番の理由がこの人たちだったから。この出会いだったからこそ、ここまですごく楽しくやってこれて。デビューって言って、『ぐるぐるカーテン』で出たけど、その時はみんな全然プロじゃなかったし、だけどそんなみんなが一生懸命頑張ってやってこれた時期があったから今こうやって武道館にみんなで立っている訳で。いろんなメンバーが卒業したし、いろんなメンバーが乃木坂に入ってきてくれて、今こういう形だけど、私は本当にこの人たちだったから良かった、この人たちだから最高だったと誓います。純粋に大好きだし、自分の事もそうだけど、乃木坂46が今後活躍していく為に私は活躍したいって思っちゃうんですよ。そんな仲間を持てた事がうれしいです。そんな人生で良かったなって今言っちゃう(笑)。ほんとにありがとう、こんなに時間をくれてありがとう」と溢れるメンバーへの愛を吐露した。
それから彼女は「多分私が死ぬまで、私の代名詞になるでしょう。そう言わせてください」と語ってから、本編最後のナンバー「制服のマネキン」を力強くパフォーマンスした。
盛大な“乃木坂46”コールを受け、アンコールは「走れ!Bicycle」から元気よくスタートした。続く「シャキイズム」では生駒がゴンドラに乗り込み会場内を移動する場面も。
2曲を終えると生駒は「今思うと私はすごく変な子でした」と切り出してから、「最初は猫背でがに股でした。ちょっとO脚ですけど、びっしり立っているつもりです。このスカートを着るのも恥ずかしかったです。スースーするなぁって思ってました。今はこんなに観ている人がいるのにターンする事もできます。変化したんです。この7年間で。こんなに人間って変わる事ができるんだなって事も乃木坂46で教えてもらった事だなと思います」と力強く語る。それから、メンバー、両親、周囲のスタッフへの思いを口にしつつ、最後に彼女は「生駒ちゃんを見た時に現実を忘れて心から楽しんでもらえるようなエンターテイナーになりたいと思います」と集まったファンに誓ってから、アンコール最後の曲「ぐるぐるカーテン」をパフォーマンスした。
アンコールが終わっても鳴り止まない生駒コールを受け、コンサートは、ダブルアンコールへ。秋元康が生駒をイメージして歌詞を書いたという「君の名は希望」が再び届けられた。曲中、メンバー1人1人から生駒にバラが手渡され、熱い抱擁を交わす場面も。最後に用意されたサプライズでは42人のメンバーの背中に1人1文字で生駒への感謝の気持ちを綴ったメッセージが贈られた。これに生駒は「うれしいね」と再び涙を零しつつ、メンバーに向け「乃木坂が大好きだから、本当に入って良かった、みんなに出会えて本当によかった」と素直な思いを口にした。そして最後は持ち前の明るさで満員のオーディエンスとライブビューイングの客席に向け感謝を述べて、この日のライブを締めくくった。
乃木坂46「乃木坂46 生駒里奈 卒業コンサート」セットリスト
M01 乃木坂の詩
M02 おいでシャンプー
M03 太陽ノック
M04 水玉模様
M05 トキトキメキメキ
M06 スカウトマン
M07 Against
M08 シンクロニシティ
M09 初日
M10 てもでもの涙
M11 心のプラカード
M12 ここじゃないどこか
M13 満月が消えた
M14 あらかじめ語られるロマンス
M15 無口なライオン
M16 指望遠鏡
M17 月の大きさ
M18 ハウス!
M19 君の名は希望
M20 悲しみの忘れ方
M21 制服のマネキン
EN1 走れ!Bicycle
EN2 シャキイズム
EN3 ぐるぐるカーテン
W EN 君の名は希望
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