17日、ソニー生命保険が「社会人1年目と2年目の意識調査2018」を発表。その中で、「新人社員のやる気を奪うセリフ」TOP10が明らかになった。
第1位 「この仕事向いてないんじゃない?」 31.0%
第2位 「ゆとり世代だなぁ」 24.5%
第3位 「私が若いころは○○だったのに」 21.8%
第4位 「やる気ある?」 21.6%
第5位 「そんなことは常識でしょ」 19.3%
第6位 「学生気分が抜けてないんじゃない?」 18.9%
第7位 「言っている意味わかってる?」 15.7%
第8位 「前にも言ったと思うんだけど?」 14.8%
第9位 「ちゃんと考えたの?」 14.5%
第10位 「言い訳はするな!」 12.7%
この結果に街の若手社会人からは「(1位は)『いやぁ~』ってなります。やっぱり腹立ちますね」「『ゆとりだからしょうがないよね』とか言われるとイラっとしますね」「ゆとり世代に生まれたくて生まれたんじゃないので」と納得する声があがる。一方、上司世代からは「3位は言ったことあるかな。飲んだ席でつい自慢話というか、『昔はこれだけ働いたんだよ』と言ったことはあります」と発言経験がある人もいるようだ
新人社員が「やる気を奪われる」と感じるこれらの言葉。では、逆にどのような言葉をかければやる気を引き出すことができるのか。23日放送の『けやきヒルズ』(AbemaTV)では、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏に話を聞いた。
ランキングのセリフに対して「相手にどう伝わるかを深く考えずに言ってしまうことはある。言う前にストップかける、言ったら相手が嫌な気持ちになるかもしれない、という想像力を働かせる必要がある」と意見を述べる藤井氏。反対の「やる気が出る言葉=部下の心に○(マル)をつける言葉」として、以下の3つを推奨する。
(1)「よく頑張ったね」
(2)「○○さんならできると思う」
(3)「わかるよ、そういうことあるよね」
やる気が出ないと感じる背景にあるのは「目標が見えていなかったり、高すぎたりする」「自己肯定感が低い」といったこと。藤井氏は「心理学では“内発的動機”というが、自分の中から動機が生まれるには人からの評価がいる。まずは褒めて、認めてあげることが必要」と述べつつ、「仕事は主体性を持ってやらなければいけないことで、仮に新人の方が未熟で仕事を進められない場合でも、ある種“できる”と勘違いをさせることも大事だと思う。できると思うことでいずれできることはある」と説明。また、新人に対して「相談に乗るよ、いつでも話を聞くよ、と気持ちを受け止めてあげること」と共感する重要性を指摘した。
そして、それらは本当に思っているからこそ効果がある言葉だとし「そう思っていなければ言う必要はない。ただ、こうしたフィードバックが部下に出来るとやる気につながるということで、自分の言葉・タイミングに置き換えて言って欲しい」と推奨した。
番組では3つを挙げた藤井氏だが、人によってシチュエーションは異なることから言い方も変えた方がいいという。藤井氏のお勧めの言葉リストを全て公開するので、新人社員のやる気を引き出したい方は参考にしてみてはいかがだろうか。
【認めたり、褒めたりする言葉】
よく頑張ったね、よくやったね、よく我慢したね、さすが〇〇さんだね、成長したよね、頑張ってるの知ってたよ、堂々とした態度だったね、きびきびしていい動きだだったね、丁寧にやれたね、努力が実ったね、次も任せるよ
【励まし、勇気付ける言葉】
〇〇さんならできると思う、いつかこの経験が必ず実になるよ、応援してるよ、この調子だね。いいぞ、今の〇〇はとてもよかった、まずはここまでできたじゃん、大丈夫!またチャレンジできる、いま一番キツいときかもしれないね、いっしょに頑張ろう、コツを教えるよ
【慰める言葉】
よくやった、頑張った跡がよくわかったよ、この悔しさがバネになると思うよ、人間は苦しい時に成長するんだよ、〇〇さんだからこそぶつかる壁だね、失敗した分多くを学んだよね、自分も失敗の連続だよ
【感謝する言葉】
ありがとう。すごく助かった、〇〇さんのおかげだよ、私はとても嬉しかった
【感動する言葉】
いやーすごかった、感動しちゃったよ、良かった良かった、最高!
【ねぎらう言葉】
まずはお疲れ様、疲れたよね、時間かけて頑張っていたのを見ていたよ
【見守る言葉】
かなり上達したね、ずいぶん頼もしくなったね、みんなで応援しているよ,またゆっくり話そう
【受け止める言葉】
困ったときはいつでも言ってね、わかるよ。そういう気持ち、そうか、よくわかったよ
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)