
世界的な注目を集めた韓国と北朝鮮の南北首脳会談。一夜明け、北朝鮮の国営メディアも共同宣言について報道したという。
一方、北朝鮮のメディアをウォッチする日本大学准教授の川口智彦氏によると、北朝鮮は今、政治プロパガンダにSNSやネットを活用しているという。IT技術やネットを使って世論を操作する"サイバープロパガンダ"を目的とした「工作部局」に3000人余りの専門要員が所属、体系的な心理戦やサイバーテロを展開、書き込み部隊「コメントチーム」も存在しているという。
「海外に繋がらないネットワークはできている。国内限りなので、"イントラネット"と言うべきかもしれない。スマホも使われていて、北朝鮮の人たちは普通に遊んでいる。国内向けのSNS、海外向けプロパガンダのページがあり、そこに書き込むと、"コイツは怪しいやつじゃないな"ということが分かると数日経って返事がくる。ただ、書き込みも北朝鮮を賞賛するような内容じゃないともちろん来ない。私も何回か書いて返事をもらったことがあるが、最近は何もくれなくなってしまった。嫌われてしまったようだ」。

また、北朝鮮が外貨獲得のため仮想通貨の取引所を狙っているという報道や、アダルトコンテンツへの厳しい取り締まりがあるという報道もあった。
川口氏は「北朝鮮が実際にやったかどうかはさておき、ITの能力は非常に高い。犯罪に使われることもあるし、経済にも教育にも使われる。金委員長は"科学技術大国"と言ったが、ITを相当意識していることの表れだと思う。なお、アダルト系作品については思想精神的に良くないものとして基本的に禁止だし、持っていたら逮捕の対象。しかし、そういうものがUSBに入って韓国から随分入っているという話もあるし、北朝鮮の文書に逮捕されたという事例も書かれていたので、現実的にはある程度流通しているというのも事実」と話した。
南北首脳会談を受け、川口氏は「金委員長も後戻りするような過去のことは繰り返してはいけないと言っているので、おそらく現実の問題として進み出すのではないか。ただ、先は長い」との見方を示していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)



