作家・石田衣良のベストセラー恋愛小説を映画化した『娼年』。その大ヒットを記念し、5月2日、渋谷シネパレスにて三浦大輔監督、真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太が舞台挨拶に登壇した。

公開4週目を迎えてもなお、その勢いは落ちることなく幅広い世代の女性を中心に大ヒット、ネットでも多くの口コミが上がっている本作。今回の舞台挨拶は、三浦大輔監督をはじめ、松坂桃李演じる主人公・リョウが所属するボーイズクラブ、「Le Club Passion」のメンバーを演じた3人が集結。主演の松坂桃李の印象について話が及ぶと、舞台「娼年」から共演している猪塚は「皆さんが抱いているパブリックイメージと、僕らも変わらない。可愛いところもあります(笑)」と言い、真飛は「“まっすぐな瞳”。寡黙なイメージでしたけど、すごくざっくばらんで気さくな方」と語った。三浦監督は「男も好きになっちゃう男。松坂くんに勝てる気がしない」と言うと、「どこに勝とうとしてるんですか!」と真飛が鋭くツッコミを入れ、会場は大爆笑となった。
話題はそれぞれのキャラクターを作り上げるまでの過程へ。それぞれ細かい拘りがあったことが明かされ、特に真飛演じるオーナーの御堂静香に関して、三浦監督は「メイクが濃すぎると魔女っぽくなるし、カリスマ性も出さないといけない。そのバランスは考えました」と振り返った。衣装合わせ当時にセミロングだった真飛は、監督の指示でエクステンションを付け、ロングヘアを作って撮影に挑んだことを明かした。
劇中で母子を演じた真飛と冨手。冨手は咲良を演じる上で、「静香という母親の存在が一番大事だった」と言い、撮影中に三浦監督から「本当に似てきたね」と声をかけられたそうで、「嬉しかったし、目標としていたところに行けたのかなって思いました」と語った。
ストーリー
主人公の森中領(もりなかりょう)は東京の名門大学生。日々の生活や女性との関係に退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。ある日、領の中学校の同級生で、ホストクラブに勤める田嶋進也(たじましんや)が、美しい女性をバーに連れてきた。女性の名前は御堂静香(みどうしずか)。「女なんてつまんないよ」という領に静香は“情熱の試験“を受けさせる。それは、静香が手がけるボーイズクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。 入店を決意した領は、その翌日に静香の元を訪れ、娼夫「リョウ」として仕事を始める。最初こそ戸惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていく。
(c)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会

