5月5日、映画『孤狼の血』(5月12日全国公開)の公開記念トークイベントが都内で行われ、同作の主演を務める役所広司、原作者の柚月裕子氏、白石和彌監督、赤ペン瀧川、映画評論家の秋本鉄次氏が登壇した。

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 完成した作品を観た感想を聞かれた役所は「冒頭から、監督と東映さんの心意気というのを感じました。最初に監督が『元気のある日本映画を作りたい』とおっしゃっていて、本当にその通りになっているなと思いました」とコメント。

 また劇中では大上章吾(役所)がタバコを吸っているシーンも多く見られるが、それについて役所は「実は僕、禁煙したばっかで。せっかく忘れかけていたのに(笑)」と苦笑。「(出演をきっかけに)また復活したんですか?」と赤ペン瀧川にツッコまれると「大丈夫です」と禁煙は続いているとアピールした。

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 役との共通点を聞かれると、役所は「全くないですね」ときっぱり。大上というキャラクターについては「この男(大上)はやっぱり天使だと思ってい演じていました。汚れた街に舞い降りてきた天使だと。時々、街にたんを吐くんですけど」とコメントし、白石監督は「(天使と思って演じているとは)聞いてなかった。『たんを吐いてください』『ここでおっぱいを触ってください』とか言っていました。天使に俺はなんてことをやらせていたんだ」と悔やみ、会場を笑いに包んだ。

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 また役所は、松坂桃李との印象的なシーンとして大上が日岡(松坂)に刑事としての生き様を語るシーンをあげ、「長ゼリフがあったんですけど、監督から『ここワンカットだから』って言われて、『冗談かな』と思いました(笑)。でも、そのおかげで早く撮影が終わりました(笑)」とコメント。

 長回しになった理由について白石監督は「撮影の後半だったので、呉にも行きつけのお店が出来て、飲みに行く約束があったので。早めに終わらなきゃいけなかった」と冗談めかしつつも、「自分でも言うのもアレですけど、映画って『このシーンが肝だよな』っていうところがあるんです。もっと言うと、『ここは映画史に残るようなシーンになるんじゃないかな』と思いまして、役所さんと李くんのむき出しの芝居を(後から)編集できないように追い込んで映しとりたいと思いました」とその真意を語った。

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ストーリー

 物語の舞台は、昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島。所轄署に配属となった日岡秀一(松坂桃李)は、暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾(役所広司)とともに、金融会社社員失踪事件の捜査を担当する。常軌を逸した大上の捜査に戸惑う日岡。失踪事件を発端に、対立する暴力団組同士の抗争が激化し……。

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写真:野原誠治

テキスト:堤茜子

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