5月3日に開催された東京女子プロレスの後楽園ホール大会で、“クビドル”伊藤麻希がさらなる覚醒を果たした。 この日、伊藤は我闘雲舞所属の里歩と対戦。小学生時代にデビュー、現在20歳にして10年以上のキャリアを持つ里歩に翻弄され、敗北を喫したものの規格外の気合いは相手にも伝わったようだ。

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(凄まじい形相でトップ獲りへの意気込みを語る伊藤。ただただ見守る瑞希)

里歩は、伊藤のタッグパートナー・瑞希の親友でもある。試合の結果を受け、伊藤はタッグチームとしてもアイドルユニットとしても活動してきた「伊藤リスペクト軍団」の解散を示唆した。曰く「もうリスペクトの気持ちもないだろ。ハンパな優しさでついてこられても、伊藤の成長にもお前の成長にもならないんだよ」。

すると瑞希は「優しさだけじゃない! 一緒にいたいからやってきたんです!」。この言葉に感激した伊藤はコーナーポストに頭を打ち付けると「何十年後でもいいからトップに立ちたい!」と瑞希に抱きつき、絆を確かめたのだった。

観客が呆気にとられた伊藤リスペクト劇場は、しかしここで終わらなかった。セミファイナル、“筋肉アイドル”才木玲佳と“JKレスラー”小橋マリカがTOKYOプリンセスタッグ王座を獲得すると、すかさず伊藤リスペクト軍団が挑戦要求。

伊藤は観客に「そろそろ伊藤リスペクト軍団がベルト巻くとこ見たいだろ? その願い、かなえてやるよ」。伊藤をリスペクトするファンのためにベルトを狙うというわけだが「トップに立って、とりあえずお金持ちになりたいんだよ!」という本音っぽいアピールも。

ともあれこの日、伊藤は「プロレス界でもアイドル界でもトップに立ちたい」と、大きな野望を口にした。これまで、プロレスラーとして「勝ち負けよりもインパクト重視」と言ってきた伊藤だが、ここにきて結果も重視するようになったということだろう。伊藤のキャリアは、新たなフェイズに入ったと言っていい。

おそらく、豊富なキャリアを持つ里歩に触発された部分もあるのだろう。ましてタッグ王者は同じ“アイドルレスラー”である才木。伊藤がプロレス2戦目、東京女子プロレス初戦で闘った相手でもある。

「伊藤は才木玲佳に勝ったことないけど、そんなことは過去! もう終わったこと! 未来のために才木玲佳を倒す!」

インタビュースペースでまくし立てた伊藤は、勢い余って「1日プロテイン200g飲んで筋トレ1日8時間やる! ゴールドジムにも入会する!」と“筋肉アイドル”に筋肉でも対抗すると宣言。と同時に「筋肉でごまかしちゃダメなんだよ! プロレスには生きざまが出るんだ!」。

アイドル界でくすぶっていた思いがプロレスで一気に爆発、ファンから圧倒的な支持を得ている伊藤。まさに生きざまで魅了している状態だが、これに結果がついてくれば鬼に金棒、伊藤にベルト。

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(試合では里歩に敗戦。しかし里歩も「勉強する部分もありました」と伊藤を認めるコメント)

(C)DDTプロレスリング/宮木和佳子

タイトルマッチは5月19日の北沢タウンホール大会で行なわれる。ちなみにその日は才木の誕生日。しかし伊藤は「悔し涙をプレゼントしてやる!」と、まったく意に介さない。昨年1月4日の才木vs伊藤は“アイドル対決”として行なわれたが、それから約1年半経ち、今回はタイトル戦だ。かつて「『ウサギと亀』の亀はウサギに勝つことじゃなく山の頂上を見てたんだ」という名言を残した伊藤。確かに今、彼女は一つの山の頂上に近づいている。

文・橋本宗洋

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