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 注目されていた米朝首脳会談開催の日程と場所がついに決定した。平壌での会談を強く希望していた北朝鮮だったが、最後はアメリカに押し切られる形となり、6月12日、シンガポールで開かれることとなった。金委員長は会談に向け、英語の練習をしているといわれ、IAEA(国際原子力機関)の査察受け入れでも基本合意したと報じられている。

 この北朝鮮の"融和姿勢"について、11日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演したジャーナリストの長谷川幸洋氏は「私の見立てでは、トランプ大統領が押しまくっていて、金正恩委員長が押されまくっている」との見方を示す。

 「どちらが米朝首脳会談を言い出したかが重要だが、それは明らかに金委員長だ。それを大方の予想を裏切ってトランプ大統領が受けてしまったことから今の流れが始まっている。会談が決まった時点では対話派のティラーソン国務長官もいたが、アメリカは4月9日にボルトン大統領補佐官、26日のポンペオ国務長官と、"最強硬派"の2人を就任させた。予想外の強硬派の登場と、13日のシリア攻撃も効いたのだろう、金委員長は3月25日に電撃訪中、そして1か月も経たないうちに再訪中した。こんなことはこれまでほとんど例がない。つまり"狼狽状態"だ。アメリカ人3人の解放も、トランプ大統領へのメッセージだ」。

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 元経産省キャリアでコンサルタントの宇佐美典也氏も「金正恩委員長が格下であるはずのポンペオ国務長官と並んで歩いている映像が公開されたことも驚いた。これも北朝鮮が焦っているということなのではないか。また、アメリカが中東政策でのパートナーであるフランスに止められていたのにも関わらずイラン核合意から離脱したのには驚いた。日米関係においても、安倍総理の言うことを必ず聞くというわけではない可能性が出てきた」とコメントした。

■「押して押して押しまくる絶好の局面」

 一括廃棄・完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を一貫して求めてきたアメリカに対し、北朝鮮は段階的な非核化を求めるものとみられている。また、安倍総理は「この歴史的な米朝会談によって、核問題そしてミサイル問題、何よりも重要な拉致問題が前進していく。そういう機会になると強く期待している」とコメントしている。

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 米朝首脳会談の議論の行方について長谷川氏は「検証と、保有している核・ミサイルの引き渡しが実現すれば制裁解除するリビア方式を北朝鮮が受け入れるかどうかだ。アメリカとしては押して押して押しまくる絶好の局面。完全に勝利しない限り、途中で席を立って破談にする可能性も十分ある」と指摘。日本についても「なんといっても拉致問題の解決と中距離ミサイルの撤去を求めているのが日本の立場。これらを前面に出して、問題を解決しないことには金委員長の"誠意の証"にはならないということをアメリカに主張するべき。一番大きいのはお金。北朝鮮が国際社会に復帰するとなった時、経済開発には日本のお金がどうしても必要になる」とした。

 宇佐美氏は「日本は強力なカードを持っていないので、北朝鮮問題においてメインプレーヤーになれないのは仕方がない。ただ世界の非核化に向けどういう役割を果たすかというところははっきりさせないといけない。核兵器を廃絶してもプルトニウム、ウランは残るので、その処分において技術的に貢献する余地はあると思う」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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