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 あなたは10代の気持ちをわかっているだろうか。想像もつかないスピードでめまぐるしく変わっていく10代のトレンド。現役の女子高生達は今、何にハマっているのか。

 渋谷に遊びに来ていた女子高生100人にハマっているものの聞き込み調査を行なった。「ショッピング」や「インスタグラム」、「荒野行動」などの答えの中、中でも一番多かった答えが、「YouTuber」だった。「今さらYouTuber?」と思う人もいるかもしれないが、想像しているものとは別物に進化しているのだという。

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 女子高生に一番好きなYouTuberを聞くと、「えむれな」、「さんこいち」、「よきき」、「マホトくん」、「禁断ボーイズ」、「すしらーめん《りく》」、「整形アイドル轟ちゃん」といった名前が登場。「大食い系のYouTuber」、「美容系YouTuberとかだと新しいコスメの新作とか調べたらすぐ試してくれるからいい」と、おもしろ動画だけでなく、自分の趣味や細かい好みに合わせて選べる時代になっていたのだ。

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 女子高生100人に聞いた一番好きなYouTuberは以下の通りだ。

【一番好きなYouTuberランキング】

3位:よきき

「すっぴんがバイきんぐの小峠に似てて、でも化粧すると全然かわいい」。

新作コスメなどを使う美容系YouTuber。なんと22歳の男の子で、最近では写真集まで出したそうだ。

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2位:えむれな

「女の子らしくなくておもしろい。はっちゃけてる感じがすごい好き」。

彼氏のMくんと配信している「えむれなチャンネル」では、同居生活での気になることを検証するだけでなく、ラブラブな様子も見せる。女子高生の中ではこうしたカップルYouTuberは人気の高いジャンルだという。

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1位:スカイピース

「2人の相性が高校生にすごいウケる感じがするので好き」。

 22歳、じんとテオくんのユニット・スカイピース。2016年7月にYouTubeチャンネルを開設したばかりだが、わずか1年でチャンネル登録者数100万人を超えた人気急上昇中の2人組。なんと、2017年にCDでメジャーデビューした。

■なぜ女子高生はYouTuberにハマるのか

 昨今のYouTuberブームについて、お笑いタレントのパンサー向井慧は、「YouTuberの何が面白いのかわからない。でも、僕らが子どもの頃に笑っていた芸人さんを、親たちが"何が面白いんだ、昔の方が…"って言っていたのと同じ気がして、ドキッとする。わからないからってそのままにしていてはいけないと思う。面白くないと感じるのは、こっちが理解できていないからだと思わなくては」と話す。

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 なぜ女子高生はYouTuberにハマるのか。若者に関する研究をしている電通メディアイノベーションラボの天野彬副主任研究員によると、女子高生が好きなYouTuberにはいくつかの共通項があるという。

 1つ目は「専門性」だ。「人気のYouTuberであるほど、何を発信するかが明確だと思う。特に、若い子ほどネットで情報を探して自分の知りたい情報を得るようになっているので、この人のチャンネルをフォローすることでどんな情報が得られるのか明確になっていることが大事」。

 実際、YouTuberには面白・検証・ドッキリ」、「美容・メイク」、「カップル」、「グルメ・大食い」、「ゲーム」の他、マニアックな「文房具」、「キッズ」、「釣り」、「野球」、「エロ」と、幅広いジャンルが存在する。先述のランキングでも、女子高生100人が挙げたYouTuberの数は45組。票がバラける結果となった。

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 この結果について天野氏は「昔の芸能人や有名人に比べて、いろんなジャンルの人をフォローするし、YouTuber側もファンとコミュニケーションを取ることでコミュニティを作っていけるということで、小さなファンのまとまりみたいなものを維持できる。それでたくさんのYouTuberをみんなが好きになる仕組みがある」と話す。

 エロの分野で「まなてぃーちゃんねる」として動画を配信しているAV女優の紗倉まなは、「私が発信しているのは主にエロ講座。普段は未成年の方や女性の方に本職の仕事を見てもらえない分、エロのHowToをYouTubeで発信しようと思ったところから始めた」と話す。

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 2つ目の共通項は「情報量」だ。実際にテレビマンが作るVTRとYouTuberの動画を比較すると、1分間のカット数は、VTRが7カット、YouTubeは30カットと、テンポの速さや情報量の多さに気付かされる。

 天野氏らが調査した、スマホアプリの起動1回あたりの利用時間を見ると、どの分野のアプリも5分以内に収まっていることがわかる。「スマートフォンの中でいろんなアプリが時間の取り合いをしているので、情報を詰め込んだり、ユーザーの注意力、アテンションを確保しつづけたりしているため、あのような編集の方法になっている。スクリーンも小さいので、いろんな音や映像効果をつけないと注意がそれやすい。それがYouTuberらしい編集術になっているような気がする」。

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■コミュニケーションツールへ

 女子高生たちのトレンドは動画を"見て楽しむ"だけではなく、コミュニケーションツールとして楽しむことへと変化している。ある女子高生は「最近はInstagramストーリーを使っている。動画を撮ったり、加工してストーリーにあげる方が多い」「動画の方が伝わりやすい。顔もわかる。Twitterはあまり顔がわからない」と話す。

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 「去年は"インスタ映え"が流行語大賞になったくらい、みんながキレイな写真を撮ることにフォーカスしていた。その分、写真を撮ってシェアすることへのハードルが上がってしまった。そこで、1日で消える仕組みのストーリーズが人気になった。若いユーザーにとっては残ることがちょっとリスクになることもあるというか、消えることがメリットになり、手軽に、その瞬間の楽しいという気持ちをシェアすることができる」(天野氏)。

 また、最近では動画アプリ「TikTok」が人気だという。これは音楽に合わせて体を動かし、曲とシンクロ、口パクをした動画を撮影、簡単に面白く加工してSNSで共有できるものだ。「動画の方が、面白さが伝わる。だからTwitterよりはインスタとかTikTokの方が流行りに乗るんじゃないか」(天野氏)

 女子高生たちの間にこれほど動画が浸透している理由については、動画を撮ることに手慣れたスマホネイティブ世代であることや、Wi-Fiなど通信環境が整備されたこと、アプリの動画編集ツールの使いやすさが向上したことなどが考えられるという。

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 「動画は情報収集、情報発信の2つの面で欠かせないものになってきている。彼女たちはネイティブ世代、オンラインとオフラインがあまり分かれていない世代だと思う。昔は現実とネットは違うものだと思っていたが、一緒のものになってきている。周囲と繋がるために動画を気軽に使い、シェアしたものによって自分が何者かを伝える世代」(天野氏)。

 ファッションデザイナーで実業家のハヤカワ五味氏は「ネットで通販をやっていて感じるのは、例えばサイトの表示に少し時間がかかるだけで何%かが離脱するという話もある。それくらい1秒1秒をすごく圧縮して生きている世界に追いついていきたい」と語っていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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