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 2016年12月以来、約1年半ぶりとなる党首討論がきょう国会で行われている。森友・加計学園問題などを追及する野党側に対し、安倍総理は疑惑追及には真摯に説明する姿勢で、北朝鮮の核・ミサイル問題、拉致問題などに対しては、関係国との連携を強調し解決への決意をアピールしたい考えだ。

 まだ成立していない重要法案を多く抱える中、ようやく実現した今回の党首討論。森友・加計学園問題を巡っては、国会で繰り返される質問・答弁や野党のヒアリングを目にする機会も多かったが、『けやきヒルズ』(AbemaTV)に出演した政治学者で東京大学先端科学技術研究センター助教の佐藤信氏は「国会の空洞化」を懸念する。

 「『森友』『加計』とニュースになるような話題は提供されるが、それが実際に国会でどのように議論されているのかが見えてこない現状がある。追及しても返ってくるのは決まった答えで、野党はヒアリングで直接官僚を攻めるということをやり出した。与党の同じような答弁はニュースを消す効果があるが、国会に対して真摯に答えていない印象がある。国会で議論する場が失われていく空洞化が続いている」

 また、ニュースで取り上げられる政治家の発言は「常に一方通行」だと指摘し、「世論調査という形はあるが、選挙のように正式な手続きで政治家の声が届くことは中々ないわけで、国会という場で何が起こっているか、与野党ともに真摯に答弁してもらいたい」と述べた。

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 森友・加計問題はこの1年間報道されてきたが、他の重要なことを議論するべきではないかという声も一部ではあがり始めている。佐藤氏は「成人年齢引き下げや働き方改革法案など極めて生活に密着した問題があるのに、ほかの問題で混乱してしまっている」と懸念を示しつつ、森友・加計学園問題によって本質がぶれている点を指摘する。

 「森友・加計という角度から見ると、いかにも安倍総理に近い人たちが利益を得ているような、安倍総理を支持する人と反対する人との対立構図になってしまう。これは凄く不思議で、公文書を改ざんする問題は安倍総理が好きとか嫌いという次元ではなくて、統治の大きな問題。例えば他の政権に変わったとして、同じようなことが行われたら当然安倍総理を支持する人も怒るはず。どの国民もおかしいと思うような問題がずっと起こっていて、森友・加計とか安倍総理に賛成・反対のように問題を小さくするのではなくて、より大きな構図を見ていくことがすごく重要」

 さらに、佐藤氏は「国会で議論をすることの重要性を議員が理解すること」が必要だとし、「反対勢力が文句を言ってくる、それを適当にあしらう空間だと思っていてはだめ。働き方改革については、与党も野党もなんとかしないといけないと両方思っている。それが対立構図になっているのは問題で、双方が合意して国民もより納得できるものにすることが期待されていること」と述べた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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