『ハナタカ優越館』『ナニコレ珍百景』担当・寒川拓郎さんインタビュー「僕たちはあやまんJAPANに勝たないといけない」

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 バーチャルYouTubeクリエイター、レンタル彼女、マッチングアプリライター、美少女ゲーム声優、手コキ研究会代表……字面だけでも「それってどんな仕事?」と興味が湧いてしまう、珍しい職業の女性たち。そんな超個性的な女性が登場するのが、6月10日よる8時よりAbemaTV(アベマTV)で放送される『ひとりと佳代子と気になるお嬢』だ。

 この番組では劇団ひとりがお客として、オアシズ大久保佳代子が“ママ”に扮するキャバクラにやってくる。そこで“佳代子ママ”が“新入りキャバ嬢(珍しい仕事をしている女性)”を劇団ひとりにオススメしていくのだが、お客が「まだまだ話を聞きたい!」と思えば「延長」しても良し、もう充分と思えば「チェンジ」しても良し、というシステムのトーク番組となっている。

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 本作のディレクターを務めるのが、寒川拓郎(さんがわ たくろう)さんだ。現在26歳で、これまでチーフADとして『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』『ハナタカ優越館』『ナニコレ珍百景』など、人気バラエティー番組に多数携わっている。

 今回、お笑いを愛し、バラエティー番組を作ることに情熱をかける寒川さんに話を聞いた。

▼【バラステ】ひとりと佳代子と気になるお嬢

6月10日(日) よる8時~9時
バーチャルYouTubeクリエイター、レンタル彼女、マッチングアプリライター、美少女ゲーム声優、手コキ研究会代表……気になる職業の女性たちが劇団ひとりとオアシズ・大久保の前でぶっちゃける!
(※見逃し防止には番組表の「通知を受け取る」がおすすめです)
【バラステ】ひとりと佳代子と気になるお嬢 | 無料のインターネットテレビはAbemaTV(アベマTV)
【バラステ】ひとりと佳代子と気になるお嬢 | 無料のインターネットテレビはAbemaTV(アベマTV)
佳代子ママが勤めるキャバクラに、劇団ひとり扮する“常連客”が来店。このお店で働く“女の子”たちは、昼のあいだは、現代ならではの気になる仕事をしている子たちばかりだという。この番組は、そんな気になるお…
AbemaTV
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――寒川さんはお笑いが好きでテレビ業界に入られたそうですね。

寒川:そうです。これは本当に言うほどのレベルではないのですが……高校生から大学2年まで芸人をやっていました。

――テレビ局に入社しようと思ったきっかけは?

寒川:最初は『吉本興業』の社員になりたいと思って。吉本の放送作家の学校に通いました。そしたら、吉本の人に「最初はテレビ局を受けたほうがいい。テレビ局の入社試験に落ちたら吉本に来なさい」ってアドバイスをもらって。最初は大阪のテレビ局なども受けましたが、なぜかうっかりテレビ朝日の試験に通って入社することになりました。

――やっぱりお笑い好きからすると、関東と関西って全然違いますか?

寒川:関西の人は芸人のことを「友達の友達」ぐらいに見てる感じがします。面白がれる幅は圧倒的に関西の方が大きいと思うし、お笑いへの寛容さとか芸人を育てる文化のようなものが一番違いますね。

今一番面白いのは「あやまんJAPAN」 テレビも負けていられない

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――『ひとりと佳代子と気になるお嬢』で、印象に残っている出演者はいらっしゃいますか

寒川:「あやまんJAPAN」のもも奴(加賀宮桃花)さんですね。17種類の言語を扱えて、カルチャーから性の知識まで本当に多方面に詳しい。

――あやまんJAPAN! 久しぶりにその名前を聞く人も多いかもしれませんね。

寒川:今このタイミングでの「あやまんJAPAN」は「おもしろ」だと思うんです。

 しかも実は一番流行った8年前より今かなりパワーアップしていて。AbemaTVの全日本女子パリピ選手権という競技コンパの大会で先月優勝されたんですけど。それがものすごく仕上がってるしパワフルやし、とにかく面白くて。消費者が同じ「30分」をエンターテインメント産業に費やす場合、メディアから受け取る「テレビ番組」とリアルに体験する「あやまんJAPANのパフォーマンス」だったら、ほとんどの人が「あやまんJAPAN」の方を面白いと感じると思う。あやまんJAPANに目の前で本気のパフォーマンスをされたら、どんな人でも笑ってしまうと思います。

 メディアの多様化で忘れがちになっていた、「目の前の人を全力で楽しませる」というエンターテインメントの基本を体現しているのが、あやまんJAPANだと思っています。

――確かに圧がすごいというか、面食らっているうちに笑っちゃう……。

寒川:そう、圧がすごい! 相手が誰だろうと自分たちの全力を弱めたりしない。だから僕はあやまんJAPANが大好きなんです。しかも呼んだらどこにでも来る! 今ってCDが売れないと言われているけれど、ライブ・音楽フェスのチケットはすぐ売り切れるじゃないですか。体験が重要になっている社会で、あやまんJAPANのパフォーマンスに勝てない番組って多いと思うんです。

 YouTube、AbemaTV、Amazonプライムなどがテレビのライバルと言われていますけど、人間の時間はみんな共通。僕たちテレビ局はあやまんJAPANにも勝たないといけない。

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――最近視聴者として観ていて面白かった番組はありますか?


寒川:今僕が面白いと思っている番組が3つあって、Amazonプライムの『ドキュメンタル』、AbemaTVの『シモネタグランプリ』と関西テレビ放送の『千原ジュニアの座王』です。3つとも、よりコアなほうに番組のテーマが向いていて、それに特化したものを一生懸命作っていると思います。

興味があるものって1歳から100歳までそれぞれ違うじゃないですか。全員が興味あるものなんて考えたら面白いものは作れない。『ひとりと佳代子と気になるお嬢』も僕が興味があるものなら「少なくとも僕と同じ嗜好の人は観てくれるんじゃないか?」という感覚で人を選びました。

YouTuberの強みは「テレビにはない機動力」

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――YouTubeはご覧になりますか?

寒川:僕は1年前くらいからボランティアで、「フワちゃん」という芸人と動画を作ってアップしてるんですよ。フワちゃんは事務所にも入らずに動画をアップしながらコツコツ活動してる芸人で。YouTubeって、いいコメントも悪いコメントも、ダイレクトに反応があって面白いです。

 「芸人をやりたい」と思ったとき、芸人ってある程度売れ方が決まっていて。ただYouTubeやライブ配信で人気になってから売れるパターンなど、そういう飯の食い方があると思う。フワちゃんは、そういうニュータイプの芸人になれると思う。

 在京キー局は6チャンネルしかないけど、YouTuberは何万人もいる。YouTuberの方がテレビ局よりももっと多い敵と戦っている。10秒も見られずに他の動画を再生されたり、早送りされたりする。面白いものをドンドン見せていかないと他のYouTuberにファンを奪われてしまうので、どんどんカットも早くなるし過激なこともやっていかないといけなくなっている。「YouTuberは好きなことだけやってる」と言う人もいますが、今はテレビよりずっと早いペースで競争が激化していると思います。

――フワちゃん、今後注目ですね!

寒川:芸の技術がすごいあるわけではないですが、今一部の業界人の中ですごい注目されています。でも、フワちゃんって5分でいいんです。うるさいから(笑)。逆にそのおかげで元気が出るっていうコメントが多い。だからYouTubeにピッタリなんですよ。

▼フワちゃん動画

『フワちゃんのウーウー 外国人お名前しりとり』

――ネットは能動的でテレビは受動的、という捉え方がありますよね。そのあたりはどのようにお考えですか?

寒川:僕は逆だと思うんですよ。僕ら以下の世代だと「テレビのながら見」文化がない。能動的にテレビの前に行ってリモコンを持たないといけない。だから手元のスマホで見る方が楽だと思ってしまうし、YouTubeは次から次へとオススメ動画が再生されていく。徐々に逆転していっている。

 若い世代はテレビと比較して、YouTubeの視聴のハードルが一つ低いんじゃないかと思います。

――寒川さんは現在26歳ですよね。同世代かその下は「とりあえずテレビを観る」という習慣がない人も多いと。

寒川:そうですね。テレビを観る子が多いのって、僕の世代でギリギリじゃないかと思います。でもテレビよりYouTubeが優っているかというと、それは違う。テレビってものすごくこだわって作っていて、ナレーションを1行間違えただけで、2時間怒られる人もいますよ。

 YouTubeは人によりますけど、そこまで作り込んでないものも多くて。ただYouTubeは、その日のネタを扱ったお笑いがすぐに作れる。テレビでは早くても放送は一週間後くらいになってしまう。

 テレビがまためちゃくちゃ面白い生放送バラエティーをやりはじめたら、YouTubeに勝てるぐらい若者を楽しませることができるかもしれません。

芸人たちとルームシェア! 野望は「M-1のような人生が詰まった番組」

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――今後の寒川さんの野望は?

寒川:最終的にはM-1グランプリのような番組を作りたいです。M-1を観てお笑いが好きになって、この業界に入ろうと思ったので。M-1を観ると芸人の皆さんがめちゃくちゃカッコいいじゃないですか。そんな芸人たちの人生が詰まった番組を作りたいです。

あと、女性お笑いコンビの「Aマッソ」が面白すぎるけど時代が追いついてないと思うんですね。Aマッソも「テレビに出たい!」と思ってくれているはずなのに…。はやくAマッソの面白さが世の中に伝わる番組を作りたいです。

――寒川さんはお笑い一筋なんですね。

寒川:本当はいろいろなものを吸収するべきなんだろうけど、自分の時間を全てお笑いに注ぎたい。空いた時間はお笑いのライブも行きますし、移動中などもスマホで『大阪チャンネル』(アプリ)でお笑い番組を観ています。

 僕は芸人たちとルームシェアをしていて、もう2年3カ月ほど一緒に暮らしているんですが、できるだけ多くの時間をお笑いと触れて過ごしたい。僕らはすごくテレビに楽しませてもらった世代で、テレビへの恩義がある。いつか大阪のテレビ局に入りたいとも思いますし、吉本にいきたいなとも考えています。

――芸人さんと一緒にルームシェア。まさにお笑い漬けの日々ですね。

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寒川:吉本の作家学校に通っていたとき「面白くないディレクターは要らない」と言われたことが印象に残っていて。確かに映像を編集するだけだったら誰にでもできる。テレビ局で働く人より、YouTuberの方が編集力もあったりする。なので、「こいつ面白いな」って思われるディレクターになりたいです。

――今後の寒川さんの番組、そして野望の実現を楽しみにしています。今日は貴重な話をありがとうございました。

(ライター:中村梢)

(カメラマン:野原誠治)

▼【バラステ】ひとりと佳代子と気になるお嬢
6月10日(日) よる8時~9時
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(※見逃し防止には番組表の「通知を受け取る」がおすすめです)

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