
世界中が注目した米朝首脳会談。AbemaTV『橋下徹の即リプ!』(14日放送)でも、出演した千原せいじと橋下氏が、トランプ大統領の政治手腕について議論した。
千原が首脳会談をめぐる反応について「日本はお祭り騒ぎしてるけど、なんかホンマのところからずれている気がして。よくよく考えたらトランプって人はビジネスマンで、まつりごとについてはアマチュアやんか。いいこともあるのかもしれないけど、あとで問題が出てこないか、怖いなとも思う」と疑問を呈すると、橋下氏は「たしかに、署名した共同声明はスカスカで意味がない」としながらも、「賭けをしないといけないこともある」と説明する。

「北朝鮮の問題は、歴代のアメリカ大統領、各国の指導者、それこそ政治のプロが取り組んできたが、うまくいかなかった。その状況を大きく変えようとすれば、ある意味で賭けをしないといけない。正解が分かることというのは賢い役人がやってくれる。でも、みんなで考えて、議論しても、それでもわかりません、となった時に、どうしましょうかと政治家のところに来る。僕のときもそうだった。正直わからないけれど、決断しなくちゃいけない。それは賭け。そして、そこに乗り出せるかどうかは、もう胆力。オバマ大統領も綺麗な事は言うけれど、最後の決断はできなかった」。
さらに橋下氏は、トランプ大統領がビジネスマンだったからこそ、実現が可能だったと話す。
「"アメリカは譲歩しすぎた"という意見も出ているし、もちろん中間選挙を見越して仕立てたショーだったのかもしれない。だけど、アメリカはやろうと思えばいつでも北朝鮮を潰せる武器を持っている。その武器を持ちながら、とんでもない譲歩をした。Twitterではボロクソに言っていたけれど、アジア最貧国の指導者で、世界の嫌われ者。しかも34歳の若造に、最大限の配慮をして、目の前で評価した。トランプ大統領は政治の素人だからこそ、格とかプライドとかメンツにこだわらず、そういうことができる。オバマ大統領だったら、"会う必要ない"って部下にやらせただろう。今回のことで、金正恩はトランプのファンになったと思う。"ここまで譲歩したんだぞ、わかったよな"というメッセージも伝わっているはずだ」。
橋下氏の指摘に千原が「それができたのは、やっぱりビジネスマンだからやな」と感心すると、さらに橋下氏は安倍総理と菅官房長官から聞いたというエピソードを披露した。

「オバマ大統領と安倍総理が話をする時は、"この時間は何分間だ"と、ものすごく細かく決められるらしい。同盟国である日本の総理がアメリカまで会いに行っているのに、スケジュールのことをものすごく言われると。でも、トランプ大統領は"飯食おう、時間は大丈夫だから。ゴルフしよう"。拉致被害者家族の方々と面会で、菅さんたちが"高齢の方々なので、椅子に座らせてください"とアメリカ側に要望したら"立って話してください"と言われたと。そういうわけにはいかないと椅子を並べたら、シークレットサービスが全部片付けさせてしまった。同じことをトランプ大統領に言ったら、トランプは"当たり前じゃないか、高齢者なんだから"と答えた。"膝詰めで話がしたい"と言ったら、意味がわからなかったのか、椅子に座って、本当に膝と膝がぶつかるくらい近づいて話をした(笑)。オバマ大統領はすごくインテリ層には受けがいいけれど、いろんな話を聞いているとトランプ大統領は人間だな、"政治家"だなと思う」。
そして橋下氏は、「政治ショーであったとしても、歴史的にはすごく良いことだったと思う。周りも、もう日朝首脳会談だなんだと動きはじめている。ああ、これを1941年に東條英機とルーズベルトがやってくれていたら…」と感慨深げ。
「包囲網を敷かれて追い詰められ、突っ走った結果、日本だけでなく世界にも大ダメージを与えてしまった。太平洋戦争に突入する前、あのときに東條英機首相とルーズベルト大統領が会談をやり、昼食でアメリカのアイスを食い…とやっていたら世界中が大騒ぎになったと思う。戦争も一旦は止まっただろうし、多くの命が救われたのにと思う」。

